日本ユニシス 代表取締役社長 平岡昭良氏

日本ユニシスは8月23日、本格的な海外事業進出に向けて、キャナルグローブを設立したと発表した。新会社はインドネシアに本社を置くIndivaraグループと提携し、東南アジアで共同事業を展開する。

説明会では、初めに日本ユニシス 代表取締役社長の平岡昭良氏が、日本ユニシスグループにおけるキャナルグローブの位置づけについて説明した。

同グループは、「フォーサイト」「サービスコンテキスト」「ビジネスプラットフォーム」「ICTプラットフォーム」の4層によるビジネスエコシステムの構築を目指しており、国内事業においては、日本ユニシスのほか、ユニアデックスやUSOLベトナムなどの各グループ会社が各層を担っている。

これに対し、ビジネスエコシステムをグローバルで展開するにあたり、キャナルグローブが「フォーサイト」「サービスコンテキスト」「ビジネスプラットフォーム」をカバーすることになる。

「ここにきて、ASEANのマーケットの魅力が高まってきたので、ビジネスエコシステムを中心としたプラットフォーム事業を構築していきたいと考えている。キャナルグローブはパートナーとともに、現地のニーズをつかんだうえで事業を進めていく」

キャナルグローブの位置づけ

キャナルグローブ 代表取締役社長 倉田菜生子氏

キャナルグローブの代表取締役社長に就任したのは倉田菜生子氏だ。同氏は日本ユニシスのグローバルビジネス部の部長を兼任している。平岡氏は倉田氏を起用した理由について、「英語ができることはともかく、女性という立場を生かして多様性を甘受できる、度胸がある点を買った」と語った。

キャナルグローブは当初、数名でスタートするが、倉田氏がグローバルビジネス部の部長に所属していることから、日本ユニシスの人材も活用していくという。

キャナルグローブのビジョンは「グローバルにビジネスエコシステムを創造する」だ。第1ステップとして、現地企業とパートナーシップを結び、ビジネスエコシステムの中核となるプラットフォーム事業を進める。

倉田氏は「キャナルグローブはアジアのビジネスエコシステムの中核として活動していく。われわれのアセットを現地の視点から抽出して提供していく。構築したエコシステムには、日系の企業にも参加していただくことを考えている」と説明した。

キャナルグローブの位置づけ

第1段階のターゲットの市場に東南アジア市場を据えており、インドネシアとフィリピンから攻めていく。インドネシアとフィリピンが理由の1つは、国民1人当たりのGDPが3000ドル前後であるからだGDP3000ドルを超えると、耐久消費財などの普及が進むと言われているという。

キャナルグローブは東南アジア市場への進出の足掛かりとして、インドネシアに本社を置くPT. INDIVARA SEJAHTERA SUKSES MAKMUR(以下、Indivara)と提携、PT. INDIVARA SEJAHTERA MANDIRIグループ( ISeMaグループ)への資本参加を決定し、2017年7月末日までに手続きを完了した。

ISeMaグループはIndivaraグループ傘下にあり、東南アジア4カ国に拠点を置き、金融、モバイル通信、流通小売、製造、輸送、旅行を注力分野としたコンサルティング、ソフトウエア開発、プラットフォーム事業を展開している。

キャナルグローブとIndivaraグループはパートナーシップの下、「ASEANにおけるコンサルティング、ソリューション、プラットフォーム事業での事業開発」「日本ユニシスグループのソリューションのASESAN展開における現地導入、ASEAN向けリエンジニアリング」「Indivaraグループのソフトウェア開発拠点を、日本ユニシスグループの国内外のソフトウェア開発で活用」「Indivaraグループのソリューション群とビジネスプラットフォームの日本と他国への展開」「運用サポートやビジネスアウトソーシングなどの事業拡大」を進めていく。