アジレント・テクノロジーは8月22日、次世代シーケンシング(NGS)のためのライブラリ調製ソリューション「Agilent SureSelect XT HS」を発表した。これは研究用のターゲットエンリッチメントソリューションで、ラボのトータルワークフロー管理であるQC(Quality Control)からターゲットエンリッチメント、解析および解釈までを実現するものとなる。
同ソリューションは、時間の経過とともに断片化するホルマリン固定パラフィン包埋 (FFPE) サンプルからDNAをシーケンスすることができる。また、より複雑性の高いライブラリを作製でき、分子バーコードを組み込むことにより精度が向上するという。さらに、さまざまな組織タイプに対応し、高品質だけでなく低品質のFFPEサンプルにも対応可能だとしている。
SureSelect XT HSライブラリは、ターゲット領域にマップされるリードの割合が高く、10ngのスタートDNA量で、分子バーコードを用いてエラーの修正を行うことができる。さらに、ハイブリダイゼーション時間は90分で、マニュアル作業による操作を抑えられるマスターミックス試薬になっているため、サンプルをシーケンス可能なライブラリに1日で調製することも可能だという。
なお、ロンドンのInstitute of Cancer ResearchおよびRoyale Marsden HospitalであるMarco Gerlinger博士は、同ソリューションに対し「この分子バーコードによるエラー修正機能とカスタマイズ可能なターゲットエンリッチメントテクノロジーのおかげで、微量のDNAできわめて低頻度の変異を検出することができる。こうした機能により、リキッドバイオプシー内のクローンやサブクローンの変異の検出および追跡を理想的に行うことができる」とコメントしている。