日本半導体製造装置協会(SEAJ)が8月21日に発表した2017年7月期の半導体製造装置速報値によると、日本製装置(輸出を含む)の販売高は、前月比5.7%増、前年同月比49.9%増となる1617億4900万円と好調さが示された。前年同月を上回るのはこれで11か月連続となり、世界的な半導体産業の旺盛な設備投資需要が継続していることが窺える。
半導体産業は、2016年下期より半導体メモリの価格が高騰をはじめ、その流れは現在も継続している。そのため、2017年の半導体市場は前年比で16%程度の成長が予想されており、そうした勢いを受けて半導体製造装置業界も好況を維持している。国内大手の東京エレクトロンをはじめとした日本の半導体製造装置メーカーの多くも、売上高、利益ともに史上最高値を更新しているほか、株価もITバブルがあった2000年以来の(あるいは創業以来の)最高値を付けるメーカーも出てきた。
販売 (3か月平均) |
前月比(%) | 前年比(%) | |
---|---|---|---|
2017/2 | 137240 | 6.2% | 53.8% |
2017/3 | 162331 | 18.3% | 39.5% |
2017/4 | 165792 | 2.1% | 41.2% |
2017/5 | 170711 | 3.0% | 38.5% |
2017/6(確定値) | 153052 | -10.3% | 53.6% |
2017/7(暫定値) | 161749 | 5.7% | 49.9% |
過去6か月の日本製半導体製造装置装置(輸出を含む)の販売高および前月比(%)前年同月比(%)(3か月移動平均)。単位は100万円 (出所:日本半導体製造装置協会,2017.8.21) |
なお、SEAJは、日本製の半導体装置の需給を示す「BBレシオ」の公表を4月度以降中止している。BBレシオは3か月平均の半導体装置の受注額を販売額で割った値で、半導体製造装置業界の先行指標として関係者から注目されてきたが、国内最大手の東京エレクトロンが受注額の開示を取りやめてしまったため、同社を含まない数値では業界の実態を正確に示せないと判断したためである。東京エレクトロンは、受注額の発表を取りやめた理由として、BBレシオよる投資家の短期的な判断に基づく株売買による株価の変動を抑え、投資家に中・長期的な視点で業績を見てもらいたいためとしている。