三菱地所は8月21日、大量のデータ通信へのソリューションとして、LPWA回線(Low Power Wide Area)の有用性を検証しさまざまな活用方法を模索するべく、9月1日より開催する「第91回 三菱地所総合防災訓練」にて、LPWA回線を用いた位置情報把握の実証実験を実施することを発表した。
LPWA回線は、日本において通信事業者免許が不要な通信方式として、公衆通信網を使用することなく独自のネットワークで中長距離での通信が可能となる回線。通信に必要な電力が少なく、低コストでネットワーク構築が可能なため、今後IoT化の進展によりデジタルデバイス同士の中長距離での情報通信の増加が見込まれる中で、発展が予想される通信方式となる。
今回の取り組みでは、NTTドコモと、IoTの通信・ハードウェア構築を得意とするベンチャー企業ハタプロが共同で運営する「39Meister」の協力のもと実証実験を行う。
同実証実験では、大規模地震が発生し一部の通信回線が使用不可能となった場合を想定し、大手町・丸の内・有楽町エリアにて災害時に対応する同社社員の位置情報を把握するもの。
被災時に災害対策本部となる大手町ビルにLPWA回線の基地局を設け、独立電源により、公衆通信網に依存しないネットワークを構築し、大手町ビル内及び周辺エリアに配置されたGPS端末を持った社員の位置把握を行うことで、有用性を検証する。
ビル密集地となる手町・丸の内・有楽町エリアでの実証実験は、実際の利用を見据えた上でとても重要な実験となるという。