ジェイテクトは、自動車などのクランクシャフト加工において、高精度加工、高生産性、高いフレキシブル性を実現するCBNクランクシャフト研削盤「GF50M」シリーズを開発し、8月21日より販売を開始した。
現在、日本をはじめ米国、欧州、中国など緩やかな景気回復基調の中、自動車メーカーは製品のより安定した品質やコスト低減などを追求している。そして設備メーカーへは、より安定した加工精度、高い生産性、高いフレキシブル性を可能とする設備が求められている。
今回、同社はそれらの要望に応えるため、クランクシャフトの量産加工に適したCBNクランクシャフト研削盤GF50Mシリーズを2機種(といし台トラバースV平スライド仕様の「GF50MS-70T」と、といし台トラバース静圧スライド仕様の「GF50MH-70T」)開発した。
同シリーズの特徴は、C-X同時2軸制御切削方式を用いた加工で、クランクシャフトのジャーナル中心回転とといし台送りを同時2軸制御することで、回転するピン部にといし台を追従させピン円筒部を創生研削する。また、タッチセンサを用いた測定システムでツルーイングごとにといし径を測定し、その値をC-X検索時に反映し、真円度向上を実現する。といし径が正しく計測されるためCBNといしを最小径まで使用できる。
また、左右といしの最接近距離を従来の50mmから18mmに短縮したことで、隣接したピン部とジャーナル部の同時加工が可能となった。これにより加工段数を削減しサイクルタイム短縮を実現する。さらに、タッチセンサを用いたピン位相割出しシステムで、ピン径、ピンストロークの異なる多種工作物に自動で対応するため、ピン位相決めの段取り替えが不要となった。加えて、GF50MH-70Tでは、といし台の早送り速度を従来の20m/minから40m/minに高速化することで、といし台割出し時間を短縮することができる。
そのほか、操作性、保守性、信頼性の向上のためにHMI「TOYOPUC-Touch」を搭載。これにより、スマートフォン感覚の操作性、一括情報表示や設備状態の見える化など顧客の作業をサポートするという。
なお、同社は同シリーズの販売目標を、年間20台としている。