サイバーダイン(CYBERDYNE)は、生体電位駆動型下肢装着型補助ロボット「HAL-HN01」を用いる治療の実用化に向け、多施設共同医師主導治験の継続的な実施研究のために、新潟病院と再委託研究開発契約を締結することを決定した。

同契約は、日本医療研究開発機構(AMED)の難治性疾患実用化研究事業に係り、新潟病院がAMEDと2017年4月1日付で締結した委託研究開発契約に従い、同社が新潟病院から委託研究開発の一部を再委託されるもの。研究開発課題名は「希少難治性脳・脊髄疾患の歩行障害に対するHAL-HN01を用いた新たな治療実用化のための多施設共同医師主導治験の実施研究」で、新潟病院神経内科の中島孝院長が研究開発代表者を務める。

また、分担研究開発課題として、医師主導治験実施協力とその後の当該技術の社会実装を推進するためにHAL-HN01の運用・教育訓練、および医師主導治験実施により得られた情報に基づく安全性の評価を実施する。すなわち、各治験実施施設で安全使用講習会を行い、各治験実施施設の治験実施担当者に対して適切な使用法をサポートすると同時に、安全な使用のための研究を並行して行うとしている。また、HAL-HN01の不具合情報、および同ロボットが原因の可能性のある有害事象に関して、常時情報を収集し、分析を行い、治験責任医師、治験調整医師などに適切な対応を行う。

再委託期間は、2017年4月1日~2018年3月31日。再委託研究開発費の予定は1000万円で、2018年3月期において営業外収益に計上される見込だが、委託期間経過後の新潟病院の審査により確定するとしている。

なお、治験対象となる緩徐進行性の神経・筋疾患は、脊髄性筋萎縮症(SMA)、球脊髄性筋萎縮症(SBMA)、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、シャルコー・マリー・トゥース病(CMT)、遠位型ミオパチー、封入体筋炎(IBM)、先天性ミオパチー、筋ジストロフィーの8疾患だ。