IDC Japanは8月14日、2016年の国内ITサービス市場のベンダー売上ランキングを発表した。これによると、国内ITサービス市場は5兆4515億円で、前年比成長率は1.4%だったという。
ベンダー売上の上位5社は、1位から順に、富士通、NEC、日立製作所、NTTデータ、IBMとなった。2013年以降、この順位に動きはなく、同社は「上位ベンダーの競合状況に大きな変化はない」と分析している。
サービスセグメント別に見ると、SIやコンサルティングを中心とするプロジェクトベース市場では、前年の成長を牽引した金融や公共分野の大型案件のピークアウトの影響を受け、上位ベンダーの成長率は総じて低下しているという。
緩やかな安定成長が続くITアウトソーシング市場では、売上額6000億円を超える上位5社の順位に変動はなく、富士通が1位をキープ。サポート&トレーニング市場では、縮小傾向が続くハードウェアサポート&保守市場による影響が大きく、マイナス成長から横ばい傾向のベンダーが多く見られるとのこと。
産業分野別に見ると、金融向けでは、上位ベンダーが伸び悩む中、TISがクレジットカード会社や政府系金融機関向けの大型案件により売上を伸ばした。製造向けでは、アクセンチュアが上位ベンダーのうち、唯一、2ケタ成長を遂げた。
前年比売上成長率が最も高かった大手ITベンダーは、前年同様、アクセンチュアだった。同社は上位7社には含まれていないが、すべての産業分野で、プラス成長を遂げ、ITサービス事業の全社的な拡大が継続しているという。