昭和電工は、新日鐵住金および新日鉄住金マテリアルズより、パワー半導体の材料であるSiCウェハの昇華再結晶法に関する関連資産を、2018年1月末をめどに譲り受けると発表した。
SiCパワー半導体は、現在主流のシリコン(Si)に比べ耐高温・耐電圧・大電流特性に優れた半導体材料で、電力制御に用いるモジュールの軽量・小型化と省エネルギー化に貢献することから、次世代パワー半導体として注目されている。一方、MOSFETを含めたパワーモジュールのフルSiC化にはさらなる結晶欠陥の低減と低コスト化が課題となっている。
同社は2005年からSiCエピタキシャルウェハの技術開発に取り組んでおり、現在、月産3000枚の製造・販売を行っている。今回、新日鉄住金グループの保有する関連資産を取得することで、同製品のさらなる品質向上を目指すとしている。
なお、昭和電工は、同社の中期経営計画「Project 2020+」において、SiCパワー半導体を将来の市場成長を見据え競争優位なビジネスモデルを確立する「優位確立事業」に位置付けており、今後、市場要求に応える製品開発および供給体制の構築を進め、SiCパワー半導体の普及に貢献していくとしている。