電通国際情報サービス(ISID)と双日の子会社でマグロ養殖事業を展開する双日ツナファーム鷹島は8月8日、ディープラーニングを活用した画像解析技術を用いて、養殖マグロを自動カウントするシステムの実証実験を共同で開始したと発表した。
双日ツナファーム鷹島ではこれまで、ダイバーの水中撮影動画をもとにマグロの養育個体数を把握し、経験則に基づいて給餌の量や方法、タイミングなどの判断を行っていた。
同実験では、ディープラーニングによる解析に適した映像撮影を行う方法の確立と、個体数把握に適したディープラーニング・アルゴリズムの適用についての有用性を検証する。
撮影方法については、高性能水中カメラや水中ドローンなどの最新機材を用いて撮影作業をリモート化するとともに、生簀の配置調整やバックスクリーンの設置など撮影環境の最適化を図り、解析に適した映像を自動で撮影できる仕組みを構築する。
ディープラーニング・アルゴリズムの適用では、画像の「どこに」「何が」写っているかをリアルタイムかつ高精度に推測する一般物体検出のためのディープラーニング・アルゴリズムと従来の画像認識技術を組み合わせたプロトタイプシステムを開発。マグロを認識させるための学習データを整備したうえで、視認性の高い場所にフォーカスした映像の抽出や、連続したフレームに出現する個体を同一個体とみなすといった独自のデータ処理を行うことで、海水中を高速で泳ぐマグロを正確にカウントすることを目指す。なお、このプロトタイプシステム開発は、解析アルゴリズム開発に強みを持つ株式会社アラヤの技術協力を得て実施する。
ISIDは、本実証実験の成果を踏まえ、システムのさらなる精度向上と実用化に向けて双日グループと共同で取り組むとともに、ディープラーニングをはじめとする先進テクノロジーを様々な産業分野の課題解決に適用すべく、研究開発を進めていくとしている。