NECと楽天証券は8月8日、共同でAI(人工知能)技術を活用し、株式注文における不公正取引の監視業務高度化に向けた実証実験を開始すると発表した。
楽天証券では、1日あたり数十万件の株式注文に対して、一定の基準により不公正取引のおそれのある取引を監視担当者が抽出し、日々、売買監視を行なっている。今回の実証実験では、NECのAI技術群「NEC the WISE」の1つであるディープラーニング(深層学習)技術を搭載した「RAPID機械学習」を適用し、実際の市場データ等をもとに分析することで、不公正取引の可能性を判定できることを検証する。
これにより、監視担当者による不公正取引の監視業務を高度化・効率化し、不公正取引を防止するための監視業務の強化を実現するという。両社は、今回の実証実験を踏まえ、2017年度の実用化を目指すとともに、AI技術を活用した投資家向けの新たなサービスの検討を進めていく方針だ。
また、楽天証券はこの機会を契機として、市場における不公正な取引やマネーロンダリングなどの適時検知や未然防止機能の実装などを積極的に進めていくことに加え、業界を横断してのAI技術の共用、業務標準の構築を含むRegTechの推進を図っていくという。