半導体市場動向調査企業である仏Yole Developpementは、SiCデバイス市場は、2016年~2020年にかけて年平均28%で成長すること、ならびに2019年を転換点に、2020年~2022年にかけては年平均40%とさらに加速度的に成長し、2022年には10億ドルを超す市場へと成長する見通しを発表した。
Yole Developpementの技術・市場アナリストであるHong Lin博士は「SiC技術の付加価値は現在、電力関連のコミュニティによって理解され、受け入れられており、SiCトランジスタは、顧客に対する意識付けと教育といった段階から製品への試用と導入といった段階に移行してきている」と述べている。実際、現在のSiC市場を牽引しているのは、PFC(Power Factor Correction)/電源や太陽光発電インバータなどのアプリケーションなどだが、将来的には、xEV関連のアプリケーションが成長に貢献するようになると見ているという。
成長が期待されるxEVアプリケーションでは、中国の主要なxEVサプライヤであるBYDがオンボード充電器にSiCを使用していることをYoleは確認している。このように、SiCデバイスの現在の自動車向けアプリケーションは、主にオンボード充電器であるが、メインインバータに関しても、すべてのOEMとティア1がSiCのテストを進めているという。日本のトヨタ自動車、日産自動車、本田技術工業などのメーカーが、2020年ころにSiCベースのソリューションを提供するとの見通して、Yoleでは2020年以降、メインインバータの高出力化により、仮に導入率が低くても重要な収益源となるだろうとの見通しを示している。
また、Yoleでは、xEV市場の発展とともに、充電インフラストラクチャがSiCの興味深い市場として浮上するだろうとも指摘しており、市場としては、欧州、米国、日本の各地域で急速に発展しようとしているが、中国での展開を特に注目する必要があるとしている。