NTTコムウェアは7月31日、働き方改革ソリューションに関するプレスセミナーを開催し、同社の「働き方改革・健康経営」への取り組みや「働き方改革ソリューション」における、コミュニケーションツールや仮想ワークスペース等の社内における活用事例を紹介した。

同社は2004年から在宅勤務制度を導入。対象は管理職を含む全社員で、月8日または週2日まで利用可能だという。当初は自宅のみだったが、現在は介護による利用を考慮し、実家等帰郷先での利用も可能にしている。

また、フレックスタイム制度を1997年に制度化し、これまで研究開発部門の一部で利用してきたが、2017年7月から全社トライアルとして実施しているという。

NTTコムウェアが取り組む働き方か改革のための人事制度

そのほか、育児、介護のためのシフト勤務を2016年から制度化。1日あたり4、5、6時間の中から時短勤務が選べ、育児の場合は小学校3年まで、介護の場合は介護者一人につき最大3年間利用可能になっている。なお、育児、介護の場合は、今年から「夏の生活スタイル変革」の時期(7月~9月)に限り、週1回出社すれば週2回を超えても利用可能とし、制度を強化している。

また、休暇取得促進策の一環で、プレミアムフライデーなどを利用して、早帰りデーの設定を職場単位で行っているという。

「夏の生活スタイル変革」(7月~9月)の取り組み

NTTコムウェア 総務人事部 人事企画部門 担当課長 高瀬一男氏

NTTコムウェア 総務人事部 人事企画部門 担当課長 高瀬一男氏は、これらの取り組みについて、「これまで、多様な人材活用による活性化および企業力強化に向け、ダイバーシティ、マネージメント推進を重要なテーマにとして、とくに育児、介護に従事する社員を中心にワークライフバランスに取り組んできた。また、社員の健康を考慮し、長時間労働の縮減に向け、職場に応じたさまざま取り組みも展開している。その結果、長時間労働の削減や休暇取得の促進、メンタルヘルス、フィジカル疾患の減少の面で一定の効果が表れている」と、効果を説明した。

また、同社においては社員構成のピークが50歳で、このことを踏まえ同氏は、「現在、各社が働き方改革に取り組む背景には、労働力人口の減少や少子高齢化などの社会的な課題があるが、弊社の場合は社員構成が50歳がピークで今後社員数の減少が見込まれ、将来の会社の成長を考えれば、さらに生産性を上げていかなくてはならない」と、働き方改革取り組む背景を語った。

高瀬氏によれば、同社の社員が約6500名いる中で、時短勤務を利用している人は110名程度。大半が育児によるものだが、この制度によって育児を理由に退職する社員がほんとんどいなくなったという。

同社では、これら働き方改革の各施策の実現においては、自社ソリューションを活用。同社では、場所によらない働き方、時間によらない働き方、モバイルでの働き方の3つのテーマでソリューションを提供しているという。

具体的には、IDカードやスマホによる勤務時間を打刻ができる「follow」、企業内チャットツールの「シャナイン TALK」、企業向けSNS「シャナイン BOARD」、仮想デスクトップ「SmartCloud Deesktop」、自宅でも社内と同じ電話番号が利用可能なクラウド型PBX「SmartCloud Phone」、外部でマニュアルやカタログが参照可能な「Smart Manual」を活用している。

「follow」

「シャナイン」シリーズ

「SmartCloud Phone」

「SmartCloud Deesktop

NTTコムウェア ビジネスインキュベーション本部 ビジネスインキュベーション部 統括課長 島田智子氏

なお、ビデオ会議については、本格的なものは他社のものを利用する方向で、電話の代わりになるような簡単な打ち合わせができるものは、現在開発中で、今後提供していくという。

ビジネスインキュベーション本部 ビジネスインキュベーション部 統括課長 島田智子氏は、今後はこれらのサービスを組み合わせて、新しい価値を創出していくとした。

例えば、「おはよう」というスタンプを送信することで、勤務開始を自動で登録したり、当日のスケジュールを自動的に取得することなどを考えており、これは2017年下期にPoC(検証)を予定しているという。

また、勤務実績とスケジュールから社員の負荷状況を分析したり、メッセージとスケジュールデータを分析することで、健康状態を判断するなど、ビックデータ解析のソリューションも検討しているという。

今後はサービスを組み合わせて、新しい価値を創出