大王製紙は、2016年に発表したセルロースナノファイバー(CNF)とパルプ繊維を複合化したCNF高配合の成形体に関して、サンプル提供を8月より開始すると発表した。同製品のCNF含有率は50%~80%、サイズは280mm×170mm、厚さは200μm~500μm。
CNF成形体 |
大王製紙が開発したCNF成形体は、軽量かつ高強度というCNFの特徴を活かした材料であり、その性能は汎用プラスチック材料の約5倍の力学物性を示し、熱特性にも優れているという。
提供するサンプルは、ヤマセイが製造を行う。同社は、2016年11月より愛媛県・えひめ産業振興財団から支援・助成を受け、CNF成形体の製造技術開発を進めており、その事業における成果によって同社がCNF成形体を製造することとなった。
また、現在同社が進めている、スポーツ用品国内メーカーと進めている共同開発においては、スポーツ用品部材として選手によるトライアルの段階まで進んでおり、今後、販売を目指して、さらに開発を進めていく。
なお、今後は、同製品をこれまでプラスチック材料が利用できなかった高強度用途や耐熱性を必要とする用途(自動車部材、建材、家電筐体、電子基板など)への展開を加速させ、事業化を進めていくとしている。