日本オラクルは7月28日、API管理をクラウド型で提供するソリューション「Oracle API Platform Cloud Service」の提供開始を発表した。新ソリューションは、APIの設計・開発・テスト・利用・運用といったライフサイクル全体において、画面操作で一元管理する環境を提供する。
クラウド・テクノロジー事業統括 Cloud Platformビジネス推進本部の本部長 佐藤裕之氏は、「デジタルビジネスにおいて成功するには、顧客の要求への迅速な対応とイノベーション創出の推進が必要となる。これらを実現するうえで、オラクルとしてはモダンなITアーキテクチャの提供により貢献できると考えている。モダンなITアーキテクチャは、クラウドサービスであるOracle Cloudによって実現されるが、企業がクラウドへの移行を実現する手立てとして、APIにフォーカスした」と説明した。
佐藤氏は、企業がAPIを活用する主要な目的として「業務効率化」「顧客満足度向上」「ビジネスの拡大」「パートナーエコシステムの確立」を挙げた。
具体的には、APIを管理することで、APIの効率的な開発と公開を実現してコンシューマーのニーズに迅速に対応するとともに、API単位でセキュリティを担保して、自社の資産を社外に公開することを実現する。
佐藤氏は、国内におけるAPIの主要な利用例として、社内におけるAPI開発基盤としての利用と社外に対するAPI連携基盤としての利用を挙げた。社内での利用では開発の効率化とスピードが、また、社外での利用ではセキュリティが重視されるという。
「Oracle API Platform Cloud Service」の詳細については、クラウド・テクノロジー事業統括 Cloud Platformビジネス推進本部 マネージャーの生駒浩大氏が説明した。
生駒氏は、「Oracle API Platform Cloud Service」の特徴として、「オンプレミス、クラウドで実行可能なハイブリッドクラウド・プラットフォーム」「APIライフサイクルを全体管理」「生産性向上/ガバナンスのための機能を提供」を挙げた。
「Oracle API Platform Cloud Service」は、APIが通過する「APIゲートウェイ」を任意の場所に配置して、管理はクラウドで行う。ゲートウェイからデータを定期的に収集し、クラウドからAPIやポリシーを配布する。APIの開発者は、今年買収したApiaryを利用して、APIの連携を図る。
生駒氏は、「APIゲートウェイは、Linuxが稼働するすべてのクラウドで動作するため、さまざまなサードパーティのパブリッククラウド上にも配置できる。マルチクラウドが競合製品に対するアドバンテージ」と語った。
セキュリティの確保は、ゲートウェイ上の処理を指定する「ポリシー」によって行う。ポリシーは、セキュリティのほか、インタフェース管理、トラフィック管理、ルーティングなどの処理を指定できる。
価格は契約体系によって異なる。、Logical Gatewayの月額料金が、「Non-metered」は16万6845円、「Metered」は33万3690円(いずれも税別)。Logical Gatewayの単位サブスクリプションがさばく最大のメッセージ件数は1カ月当たり2500万件。