東北大学は、東北大学東北メディカル・メガバンク機構(東北メディカル・メガバンク機構)とヤクルトが、乳酸菌摂取による保健効果を明らかにすることを目的とした共同研究を実施することを発表した。
乳酸菌の摂取は腸内細菌叢のバランスを調節する手段のひとつだが、その保健効果は、特定の疾患に絞った効果検証が中心で、乳酸菌を長期摂取した健常人の健康全般におよぼす解析は十分ではなかった。
このたび実施される共同研究は、乳酸菌に関する詳細な調査項目を追加することで、大規模に乳酸菌摂取に関する情報を収集し、それをコホート調査で収集されている健康情報等と統合して解析することで、乳酸菌摂取の保健効果を明らかにすることを目的としている。
東北メディカル・メガバンク機構が実施するコホート調査の参加者を対象に、乳酸菌飲料および発酵乳の摂取状況のアンケート調査を、2017年8月1日から実施する。対象は東北メディカル・メガバンク機構によるコホート調査の詳細二次調査成人参加者(最大約9万人)であり、同意を得られれば乳酸菌飲料および発酵乳の摂取状況に関するアンケート調査への回答を依頼する。
このアンケートを疾病罹患・生理機能情報、生活習慣情報と合わせて解析することで、乳酸菌摂取と種々の健康指標の関連を調べ、その保健効果を明らかにするという。さらに、遺伝情報やオミックス情報などを含めた総合的な解析を行うことにより、東北メディカル・メガバンク計画が目指す「個別化予防」の基盤構築にも貢献するとしている。
共同研究の期間は、2021年3月まで。2017年8月1日より、東北メディカル・メガバンク計画のコホート調査(詳細二次調査)参加者に調査票の発送を開始する。また、腸内細菌叢解析の実施可能性についても検討を進めるいうことだ。