名古屋を中心に注文住宅の建築やリノベーションを手掛けるパパママハウス。お客さまのために100%の力を出し切るため、オープンな環境づくりが備わっているという。

例えば、全体会議において、問題点や改善点を協議し、部署の垣根を越えて、誰もが自由にアイディアを提案できるオープンな環境・体制を整備している。

そんなパパママハウスが、Web会議サービス「V-CUBE」を導入することで、インターネット完結する注文住宅の接客サービスを開始した。同サービスは、同社の働き方改革にも貢献しているという。

注文住宅の要である打ち合わせをもっと気軽に

注文住宅を建設する場合、一般的に、工務店と顧客は5~10回の打ち合わせを行う。これに対し、パパママハウスでは、ドアや窓など、すべてを自由に決めることができるため、打ち合わせの回数が多くなるという。

取締役 営業部長の磯貝征賜氏は、「当社のお客さまは若い方が多いので、お子さまも小さく、来社が難しいことがあります。その一方で、せっかくの注文住宅なので、納得のいくものができるまで何度でも打ち合わせがしたいという事情もあります」と語る。

パパママハウス 取締役 営業部長 磯貝征賜氏

同社での打ち合わせが難しいとなると、顧客の家に訪問することになるが、自宅に来てもらうことを歓迎しない顧客もいるという。その場合、カフェなどで打ち合わせをするそうだが、それには時間とコストが発生する。

そうした中、今年1月、磯貝氏が担当する京都に住む顧客から、Web会議による打ち合わせを提案されたそうだ。この顧客は奥さんが中国在住ということで、同社がある名古屋、顧客が居る京都、中国でWeb会議が行われた。

この時の経験を踏まえ、V-CUBEが導入されることになった。今年3月に導入が始まり、既に本稼働している。相談はオンラインで行うが、画面でわかりにくい住宅資材のサンプルなどは郵送する。

磯貝氏は、「名古屋という土地柄、車で1時間程度であれば、快く来社してもらえますが、それ以上になると来社のハードルが上がります。オンラインで打ち合わせができれば、これまでは遠いと思われていた場所に住むお客さまにも購入してもらえる可能性が高まります」と話す。

今のところ、オンラインサービスはすきま時間に自分のペースで会話ができるため、「仕事や育児が忙しく、ゆっくり来場して相談する余裕がない」「現住居が遠く来場に負担がかかる」といった顧客に好評だという。

パパママハウスのオンライン打ち合わせサービス

Web会議で子育て社員も自宅で打ち合わせが可能に

オンライン打ち合わせサービスは顧客にメリットをもたらすだけではない。同社にとってもメリットは多い。まず、営業やインテリアコーディネーターが客先に出向く必要がないことから、そのための時間とコストを省くことが可能になる。

また、同社は女性の社員が多いため、Web会議は社員の柔軟な働き方にも貢献するという。一般に、建築業と言うと、男性社会のイメージがあるが、同社は全社員の約半分が女性だそうだ。

「当社のお客さまは、女性が主導権を持っているケースが多いです。女性のお客さまに対し、女性の社員であれば、主婦目線で提案することができます。収納の使い勝手など、男性ではなかなか気づかない部分です」と磯貝氏。

企画部 熊谷みづき氏は「当社は女性社員が活躍しており、出産しても戻ってくる女性社員が多いです。リモートで仕事に必要なファイルをアクセスできる状況にあるため、自宅で作業が可能です。さらに、Web会議が導入されれば、打ち合わせまで自宅でできることになります。会社としては、優秀な人材にできるかぎりやめてほしくないと考えています」と語る。

パパママハウス 企画部 熊谷みづき氏

Web会議はすでに社内で利用が始まっており、東京で働く熊谷氏は名古屋のメンバーとWeb会議を行うことがあるそうだ。また、名古屋市内にギャラリーがオープンしており、Web会議が必要とされる機会はますます増えている。

さらに、磯貝氏は「当社に勤めていた女性がロサンゼルスに引っ越すので、将来的にはWeb会議を活用して、現地で同社の仕事をしてもらうことも考えています」と話す。

それにより、海外の著名なインテリアコーディネーターとのコラボレーションも視野に入れているという。夢は膨らむばかりだ。

Web会議を行うパパママハウスの社員

今年8月には、Webサイトのリニューアルを予定しており、そこではオンライン打ち合わせサービスの認知度を高めていく。加えて、契約した顧客には、iPadを貸し出して、オンライン打ち合わせサービスの利用を促進することも考えている。

「V-CUBE」の導入が同社のビジネスに与えるメリットはこれからもますます増えそうだ。加えて、同社の女性社員がWeb会議の活用によりさらに活躍することを期待したい。