米国立再生可能エネルギー研究所(NREL)は、インドでの再生可能エネルギー導入に関する予測レポートを発表した。それによると、2022年までに出力175GW(ギガワット)の再生可能エネルギーがインドの電力網に組み込まれるという。

175GWの再生可能エネルギーのうち、100GWが太陽光、60GWが風力になると予測され、年間発電量としては370TWh(テラワットアワー)に達するとしている。これら160GWの太陽光および風力発電によって、インドの電力需要の22%がまかなわれることになる。また、一年のうち発電量が多くなるピーク時には、需要全体の54%を太陽光と風力が占めるとする。なお、現在のインドでの再生可能エネルギーの導入状況は、太陽光9GW、風力29GWとなっている。

2022年のインド各州における再生可能エネルギー導入割合の予測(出所:NREL)

ラージャスターン州、アーンドラ・プラデーシュ州、カルナータカ州の3つの州では、年間の発電量・電力消費量に占める再生可能エネルギーの割合が50%を超えると予測されている。他にもグジャラート州、マハーラーシュトラ州、タミル・ナードゥ州など、南西部、南東部、南部の各州で軒並み導入割合が高くなるとする。

インドでの再生可能エネルギー導入に伴う天然ガス・石炭火力からのCO2排出削減予測(出所:NREL)

この予測シナリオが実現した場合には、再生可能エネルギーの新規導入がない場合と比べて、火力発電所での天然ガス消費量は32%削減、同じく石炭消費量は20%削減され、火力発電所からのCO2総排出量は21%削減されるとする。

再生可能エネルギー導入量の増加に伴い、発電における変動性、不確定性も増すことになる。電力システムは、物理的にはこうした変動性、不確定性に対応するためのフレキシビリティを備えているが、こうしたフレキシビリティを実現には、適切な法整備、運用規則、電力需給の急変動に備えた運用予備力、市場メカニズム、ソフトウェアおよび制御システムなどが必要であり、これらが今後の課題になるとNRELでは指摘している。