デロイト トーマツ グループならびにみずほフィナンシャルグループ、三井住友フィナンシャルグループ、三菱UFJフィナンシャル・グループが参画しているブロックチェーン研究会は7月21日、「本人確認(KYC:Know Your Customer)高度化プラットフォームにおけるブロックチェーン技術の適用に関する実証」を7月より開始すると発表した。
同研究会では「改ざん耐性」「高可用性」などの特性から、本人確認の効率化への親和性が高いと期待されているブロックチェーン技術を活用した「本人確認高度化プラットフォーム構築」を新たな研究テーマとし、その技術を用いた本人確認システムのプロトタイプの作成と、仕様の決定を目指すこととした。
今回行われる実証では、現状、各金融機関で行っている本人確認事務手続きの一部について、新たに設立する共同運営機関(コンソーシアム)で行うとともに、参加する金融機関の判断で当該顧客の本人確認を既に実施した他の金融機関の確認結果を利用することで、本人確認の事務手続きを簡素化する仕組みの構築を想定している。
具体的には口座開設、200万円を超える大口の現金取引、10万円を超える現金での振込などの特定取引を実施する前に、コンソーシアムのWeb登録フォームから本人特定自行の登録申請を実施。コンソーシアムは経済制裁対象者リストなどのスクリーニングを行い、該当がない場合はその旨をブロックチェーン上に記録する。
その後、ある金融機関において特定取引を実施する際に、顧客からの意思表明によってコンソーシアムはスクリーニング情報を提供。その情報をもとに取引可否を判断し、取引が実行されればその内容をブロックチェーン上に記録するという仕組みだ。
さらに別の金融機関にて特定取引を実施する際は、再度顧客からの意思表明によってコンソーシアムがスクリーニング情報を金融機関へ提供。先に取引を実施した金融機関行われた本人確認内容をチェックし、その確認で本人確認とすることも可能だという。