中央大学は、同大学大学法学部の海部健三准教授(ウナギ保全研究ユニット長)が、ニホンウナギに関する基礎的な情報をまとめたWebサイト「ウナギレポート」を開設したことを発表した。

Webサイト「ウナギレポート」の画面

「ニホンウナギ」は、環境省、国際自然保護連合(IUCN)によって絶滅危惧種に指定されながらも、資源管理が進まず違法な漁獲や流通が横行している。Webサイト「ウナギレポート」は、そんなニホンウナギの現状を伝え、市民の行動選択に役立つことを目的として公開された。

同大学によれば、ニホンウナギの情報を保全と持続的利用の視点から包括的に提供するWebサイトはこれまでなく、土用の丑の日が同種を含む生物資源の保全と持続的利用を考える日となることを願って同Webサイトを開設したという。その内容は、分類と分布、生態、世界のウナギの仲間を紹介する「二ホンウナギとは」から始まり、「ウナギが蒲焼になるまで」、「ニホンウナギは絶滅するのか」、「過剰な消費」、「違法な漁獲と流通」、「河川や沿岸環境の劣化」、「ウナギの放流」、「完全養殖」、そして一般市民が知っておくべきことを紹介する「私にもできること」の9つのコンテンツで構成される。

なお、同サイト内では、昨今話題となっているファーストフード店などでの安価なウナギ提供への批判に触れながらも、消費形態の議論を主題とするのではなく、「事実上捕り放題、食べ放題」となっている社会システムを改善し、科学的知見に基づいた消費上限を設定することが重要で、それに繋がる消費行動が行われるべきであると記されている。