東洋紡は、富山大学と薬用植物の栽培指導に関する契約を締結したことを発表した。今後、富山大学から指導を受け、同社のさまざまな素材・技術を活用した研究を実施していく。

今後の高齢化社会において、医薬品の需要は加速すると予想される。薬用植物の用途のひとつである漢方薬の需要拡大も予想される一方、国内での栽培は就労者の高齢化や栽培期間の長さから敬遠される傾向にある。昨今では輸入や野生植物の採集に頼っているが、自然環境の変化や為替の変動などから、品質・価格・供給が安定しないという問題がある。そうした状況を受け、安定した供給が期待できる植物工場での栽培が注目されているという。

植物工場「HAL」

今回、約2,000種類におよぶ薬用植物を栽培する薬用植物園を持ち、栽培研究を行っている富山大学大学院医学薬学研究部の黒崎文也教授ならびに植物園スタッフの指導の下、同社は薬用植物の栽培研究に取り組む。この栽培研究は、同社の富山事業所敷地内にある完全閉鎖型植物工場「HAL」で行う。なお、HALとは「HR(当社富山事業所の略語) Agriculture Lab」の略称。