ベリタステクノロジーズ テクノロジーセールス&サービス本部 常務執行役員 高井隆太氏

ベリタステクノロジーズは7月14日、コンテナ化向けのSDS(ソフトウェアディファインドストレージ)ソリューション「Veritas HyperScale for Containers」 の提供を開始した。

同製品の特徴は、独自開発のデュアルプレーンアーキテクチャの「HyperScale」により、ストレージにおける拡張性、コスト、パフォーマンスの課題を解決できる点。

テクノロジーセールス&サービス本部 常務執行役員の高井隆太氏は、「データ管理に関する課題を全方位的に解決する」という同社のアプローチ「360度データ管理」を構成する柱の1つに「ストレージ最適化」があり、新製品はこれを実現する製品であると説明した。

同社はこれまで、ミッションクリティカルなアプリケーション向けのSDS製品「Veritas InfoScale Enterprise」、非構造化データ向けのSDS製品「Veritas Access」、OpenStack向けのSDS製品「Veritas HyperScale for OpenStack」を提供しており、今回、4つ目のSDSソリューションがそろったことになる。

ベリタスのSDSソリューション

高井氏は、360度データ管理を実現する製品のユースケースとして、「Access」によりIAサーバとDASを用いてスケールアウトNASを構築し、これらの統合バックアップとデータの長期保管のために「Veritas NetBackup」を導入し、「Veritas Information Map」により、保有しているデータを可視化し、不要なデータを整理を行う例を紹介した。

ベリタステクノロジーズ インフォメーション・アベイラビリティ・アーキテクト 星野隆義氏

新製品については、インフォメーション・アベイラビリティ・アーキテクトの星野隆義氏が説明を行った。

星野氏は、同社が「Linuxコンテナ」「OpenStack」「DASやオブジェクトストレージの有効利用」「パブリッククラウド」をITインフラの進化形と考えており、パブリッククラウド以外の3つの選択肢を実現するために、SDSソリューションを提供していると述べた。

「今、求められているのは、DASやオブジェクトストレージを使いこなすためのSDSであり、今後は、コンテナやOpenStackを使いこなすためのSDSが増えていく」(星野氏)

ベリタスが考える「ITインフラの進化形」の選択肢

続いて、星野氏はストレージにまつわる課題を解決する方法にSAN/NASの利用があるが、「拡張性低下」「コスト増加」「パフォーマンス劣化」の課題が生じると指摘した。

これに対し、デュアルプレーンアーキテクチャ「HyperScale」を搭載する同社のコンテナやOpenStackベースのSDSソリューションを利用すれば、上記の3つの課題を解決できるという。

「HyperScale」は、ストレージ管理をコンピュートプレーンとデータプレーンに分散させて行う。コンピュートプレーンは同時に立ち上がるインスタンス分のCPU、メモリ、ストレージを持てばよく、データプレーンは全インスタンス分のストレージ容量のみを考慮すればよいので、拡張性を向上することができる。

拡張性を向上するデュアルプレーンアーキテクチャ「HyperScale」

また、「HyperScale」では、過剰なデータの冗長化を行うことなく、ハードウェアに障害が発生した時は迅速にインスタンスを復旧可能なため、コストを抑えることができるとしている。

加えて、データプレーン上の最新のイメージを用いてスナップショット、バックアップ、レプリケーションを実施するため、コンピュートプレーンのパフォーマンスへの影響はないという。

さらに、星野氏はDASやオブジェクトストレージ向けのSDSソリューション「Veritas Access」の詳細についても説明した。AccessはIAサーバの内蔵ディスクのみ、もしくはIAサーバとオブジェクトストレージを組み合わせて、NASを構成できる。「ユーザーは意識することなく、NFSからもクラウドストレージが見えるが、これがAccessの最大のメリット」と星野氏。

星野氏は同製品の特徴として、ポリシーベースのティアリング機能により、DASとクラウドストレージを適材適所で使い分けできることも紹介した。

「Veritas Access」のティアリング機能