インターシルは、アナログビデオデコーダ、2つのスケーラ、MIPI-CSI2 SoCインタフェースを搭載したフルHD 1080p LCDビデオプロセッサ「TW8844」 を発表した。1000個一括購入時の単価は10ドル。
TW8844は、自動車の後退時による死傷事故防止のための米連邦自動車安全基準(FMVSS-111)準拠リアビューカメラシステムの実現に向け、高い信頼性を提供するLCDビデオプロセッサ。アナログカメラシステムからデジタルカメラシステムへの移行を可能にするほか、さまざまなビデオインタフェースと最大1920×1080のフルHD LCDパネル解像度をサポートする。
同製品は、センタースタック/ヘッドユニット、フルディスプレイリアビューミラー、インスツルメントクラスタディスプレイ、後部座席のデュアルヘッドレストエンターテインメントシステムなどに適している。
また、「クルマのギアがリアに切り替えられた際に、ドライバーがクルマの後方を視認でき、死角を最小化しなければならない」と定められたFMVSS-111規則の要件を達成しており、クルマの起動から0.5秒未満でグラフィックオーバーレイが施されたライブビデオを表示する。
なお、インターシルのプレシジョンプロダクツ担当シニアバイスプレジデントのフィリップ・チェスレイ氏は、「TW884xのフリーズ検出機能はハードウェアに組み込まれており、スレッシュホールドを超えた場合には割り込み信号を作動させます。これにより、クルマのリアビューカメラのFMVSS-111への準拠と、ライブビデオの瞬時表示を実現します」と述べ、さらに「TW884xのリアビューカメラバイパスアーキテクチャはカメラとディスプレイ間のシグナルパスを、インフォテインメントシステムのその他の部分からデカップリングします。これにより、自動車メーカーはカメラシステムに対するISO 26262機能安全規格の取得が容易になります」とコメントしている。
TW8844はインターシルのISL78302デュアルLDO、ISL78322デュアル2A/1.7A同期整流降圧レギュレータ、ISL78228デュアル800mA同期整流降圧レギュレータのほか、ルネサスのR-Car SoCファミリとの組み合わせにより、車載インフォテインメント・システム・ボードでTW884x、SoCなどの主要部品向けに電源レールを提供され、14×20mmの156ピンLQFPパッケージで供給が開始されている。