富士通は、デジタルビジネス・プラットフォーム「FUJITSU Digital Business Platform MetaArc」上で展開している、IoTで現場を見守る安全管理を支援するソリューションの強化を目的に、同社の「Human Centric AI Zinrai」を活用した、警備業務など継続的な作業における熱ストレスの推定を行う新しいアルゴリズムを富士通研究所と共同で開発し、7月下旬より提供を開始することを発表した。
従来のアルゴリズムは、腕に装着したデバイスでセンシングした気温・湿度やパルスの上昇などから熱ストレスレベルを推定しており、主に製造業や建築業の現場で適用されていた。
開発された新アルゴリズムでは、時間経過とともに蓄積する熱ストレスのレベルを推定できるため、夏場の屋外での警備業務など継続的な作業を行う現場により適しており、従来のアルゴリズムと併せて幅広い現場での安全管理に活用できるという。
今回、蓄積した熱ストレスのレベルの推定を行うために相関関係が見えにくい多様なデータを扱うため、AI技術を活用し、専門家の知見を基に機械学習させることにより、熱ストレスが高い場合の特徴を抽出し、推定ロジックを開発、労働科学の専門家が行うような推定が可能となった。
また、富士通は、同社川崎工場への入門者や、工場内の工事現場を監視する警備員を対象に、新アルゴリズムを追加した安全管理を支援するソリューションを適用する。労働環境が過酷となる6月から9月にかけて実践を行うことで、有用な知見を蓄積し、今後の顧客の現場での作業員の安全見守りに貢献するとしている。同社は、この実践で得た知見を踏まえ、さまざまな業種の安全管理支援を加速していく方針だ。
なお、同ソリューションは、7月19日~21日に東京ビッグサイトで開催される「第3回猛暑対策展」への出展が予定されている。