ダッソー・システムズ(以下、ダッソー)は13日、エアバスの子会社で金属3Dプリンティングを専門とするAirbus APWorks(以下、APWorks)と、航空宇宙・防衛産業において、アディティブ・マニュファクチャリングを大規模生産で利用を進めるための共同パートナーシップを締結したことを発表した。

設計の高度化、高性能材料の出現、機械の高速化にともない、アディティブ・マニュファクチャリングは製品デザインや試作の段階を超え、主要な工業製造プロセスのひとつとして世界中で注目を集めている。

今回の協業では、そんなアディティブ・マニュファクチャリングの仮想検証の新たな開発に向けて、ダッソーの3DEXPERIENCE プラットフォームとAPWorksの高い専門能力(コンサルティング、設計、生産)を活用するという。

ダッソーは、同社尾航空宇宙産業向けインダストリー・ソリューション・エクスペリエンスである「コデザイン・トゥー・ターゲット」の機能を拡張し、アディティブ・マニュファクチャリングを部品づくりに適用する場合に必要な、バリューチェーン全体の設計パラメーターのデジタル統合プロセスを開発する。これにより、設計の最適化から生産まで、反復可能で拡張性のあるアディティブ・マニュファクチャリング・プロセスを生み出すという。

両社の新しいエンドトゥーエンドプロセスにより、上流の材料設計から下流の製造工程、試験を網羅したデータの一元化が実現する。3D設計とエンジニアリング、シミュレーションの統合により、アディティブ・マニュファクチャリング用に部品を最適化しパラメーターを標準化することで、認可基準を構築できる。その後のステップでは、認定されたパラメーターに合わせればよくなり、OEM各社はサプライチェーンをつなぐことで構想設計を最適化させ、各フェーズで仮想検証を実施することで、部品の製造前に問題を検知できると説明している。

なお、今回発表された協業は、航空宇宙・防衛産業に加え、自動車や医療業界、さらにはロボット産業やメカニカルエンジニアリング分野への適用の可能性も視野に入れているということだ。