ケイデンス・デザイン・システムズは12日、名古屋大学の組込みリアルタイムシステム研究室と協業し、ケイデンスのテンシリカプロセッサーおよびDSPにAUTOSAR準拠の「TOPPERS ATK2-SC1」(Toyohashi OPen Platform for Embedded Real-time Systems Automotive Kernel version-2 Scalability Class 1)を移植したことを発表した。
TOPPERS ATK2-SC1 RTOS(リアルタイムオペレーティングシステム) Automotive Kernelは、多くの生産実績を持っており、車載システム制御アプリケーションにおいてソフトウェアタスクの詳細なタイミングを管理し、最も根幹をなすソフトウェアビルディングブロックのひとつとなっている。
今回、ケイデンスと名古屋大学の協業により、ATK2-SC1が正しく機能することと競争力の高い性能レベルで動作することを検証し、テンシリカのプロセッサープラットフォームにATK2-SC1を移植されたことで、ECUの開発者はテンシリカのDSPアーキテクチャーを利用して、RTOS Automotive Kernelを変更することなくプロセッサーを特定用途向けに最適化することが可能になる。
これにより、テンシリカプロセッサーの高い演算性能を必要とする、ADAS(先進運転支援システム)、ヒューマン・マシーン・インタフェース、自動運転システム、その他車載アプリケーションに従事している設計者は、TOPPERS automotive kernel上で車載アプリケーションの初期開発を開始できるということだ。
ケイデンスは、7月21日に横浜で開催される「CDNLive Japan 2017」における技術セッションの中で、テンシリカプロセッサー上のATK2-SC1のデモを実施する予定とのことだ。