Intelの日本法人であるインテルは7月12日、都内で会見を開き、最新世代のXeonプラットフォームとして、Skylake-SPマイクロアーキテクチャベースの「Xeonスケーラブルプロセッサファミリ」を発表した。
同ファミリは、前世代となるBroadwellまで採用してきたミッションクリティカル分野に向けた4~8ソケット対応サーバ向け「Xeon E7」、ならびにコストパフォーマンスや電力対性能を重視した2ソケット対応サーバ向け「Xeon E5」という分類から、新たに、さまざまな産業分野で存在する各種ワークロードに効率よく対応することを目指し、ハイエンドの「Xeon Platinum」から、「Xeon Gold」「Xeon Silver」、そしてエントリ向けの「Xeon Bronze」という4つのクラスに製品分類を変更。いずれも同じ「Purleyプラットフォーム」を採用することで、ユーザーによる柔軟な使い分けを可能とした。
最上位となるXeon Platinumは、Xeon Platinum 81xxシリーズという名称が与えられ、コア数は最大28、2/4/8ソケット、ならびにノードコントローラを介することで、8ソケット以上のニーズにも対応することが可能なシリーズという位置づけとなっている。
また、Xeon Goldは、2/4ソケットに対応し、最大22コアで、DDR4-2666MHz、インタコネクトであるUPIが3本のXeon Gold 61xxシリーズならびに、最大14コアで、DDR4-2400MHz、UPIが2本のXeon Gold 51xxシリーズの2シリーズが提供される。
そして、その下位互換となるXeon SilverならびにXeon Bronzeはいずれも2ソケット対応で、Xeon Silver 41xxシリーズおよびXeon Bronze 31xxシリーズという名称が与えられる。41xxシリーズは最大12コアで、DDR4-2400MHzに対応。31xxシリーズは最大8コアで、DDR4-2133MHzに対応している。
いずれのシリーズもアーキテクチャの刷新により、AVX-512命令サポートがなされたほか、リングバスアーキテクチャからメッシュインタコネクトアーキテクチャに変更。これにより、ホップ数の高いパスを減らせ、レイテンシの低減が可能になったとする。
また、キャッシュメモリも、LLC(Last Level Cash)重視から、MLC(Middle Level Cash)重視へと変更され、L3キャッシュの容量が従来の2.5MBから1.375MBへと削減され、使い方もインクルーシブからインインクルーシブへと変更がなされた。代わりに、L2キャッシュが従来の256KBから1MBへと増加(キャッシュ全体の容量も従来の60MBから66.5MBへと増加)。コアキャッシュとしてヒット数の増加を実現。データセンターでの演算ニーズに対し、より効率よくキャッシュを使えるように改善を図ったと同社では説明する。
なお、CPUのオプションとして、Omni-Pathアーキテクチャを統合したものが7製品用意されているほか、PCH(Platform Controller Hub)側に最大40Gまでサポートしたソリューションなども用意するなど、同社では、「この10年間で最大規模となるプラットフォームの進化」と評しており、FPGAやSSD、Optane、Xeon Phiなども含めて、さまざまなワークロードに柔軟に対応することができるようなったと説明しており、今後もエコシステムの上流から下流まで、拡充に向けた取り組みを進めていくとしている。