インターネットイニシアティブ(IIJ)は11日、同社自社開発の企業向けルータ「SEIL(ザイル)」の出荷台数が4月に累計10万台を突破したことを発表した。
「SEIL(ザイル)」は、同社が1998年8月に開発したISDNルータを皮切りに、変遷著しいネットワーク技術やユーザーのニーズに応えながらシリーズを重ね、発売20年目を迎える今年の4月にシリーズ累計10万台を突破している。同社では、「SEIL」シリーズの特設サイト"SEILシリーズ20年の歩み"を開設しており、日本におけるインターネット環境の変遷と「SEIL」の歩みを時系列で掲載している。
同社では2003年導入の自動接続・一元管理システム「SMF」(SEIL Management Framework)が原動力になったことや、2011年SMF技術を他のサービス事業者向けにOEM提供するSACM(Service Adaptor Control Manager:エスエーシーエム)の出荷台数を大きく伸ばした要因であったことを振り返っている。
1998年初代ISDNルータ「IIJ SEIL / IIJ DSU」。アクセスポイントの新設や廃止が頻繁に行われたこの時代ではサーバ上にデータを保存し、定期的にルータが情報を取得する機能を実装。ユーザー利便性とサポートコストの軽減を図ったという(特設サイトより抜粋) |
その後のクラウド時代を見据えVMwareやKVMで動作するx86ベースのソフトウェアルータ「SEIL/x86」、SDN(Software Defined Networking)やNFV(Network Function Virtualization)を利用した「IIJ Omnibusサービス」(2015年)や、IoTプラットフォーム「IIJ IoTサービス」(2016年)の基盤技術としてもSMF技術は活かされている。同社はSMF技術を活かし、更なるネットワーク基盤の活用シーンを今後も広げてゆきたいとしている。