静岡大学は、体内の臓器が観察できる透明な金魚の作出に成功したと発表した。
この研究は、静岡大学理学部徳元研究室のメンバーらによるもので、同研究成果に関する論文は、6月30日にAACL Bioflux誌で公開された。
同研究室では、既に遺伝子導入により卵巣が蛍光を発する卵巣発光性透明ゼブラフィッシュ系統の開発に成功していたが、同研究では同様の透明魚を一般に馴染みの深い金魚において作出に成功したという。
同研究にて作出された系統では、稚魚は完全に透明で体内組織の発達の様子が観察可能である。成魚になると体色が白味を帯びて来るが、卵巣や精巣などは観察可能で、産卵に適した時期を的確に判断するのに役立つと考えられるという。今回樹立された系統は、初期発生過程の研究や生殖生物学分野の研究に有用であると期待されるということだ。