「AI・人工知能EXPO」に台湾からの唯一の海外企業としてブース出展していたUmbo Computer Vision Inc.(以下、UMBO CV)が展示していたのは、“クラウドファーストの学習カメラ”と称された自律型セキュリティシステムだ。ブースに設置されたモニターには、ビデオカメラで撮影された映像が映し出されているのだが、人の姿をマスクするように赤く彩られている。しかも、指先など細かな部分もきっちりと輪郭が縁取られているほか、手に持った書類や背負っているバッグなどには反応しないなど、その認識度合いの高さがキラリと光っていた。
こちらの仕組み、解説員の方に説明を求めたところ、最大解像度1,080pまで(2メガピクセル)、最大フレームレート20フレーム/秒、レンズは固定焦点でf=2.8mm、水平画角112.4度・垂直画角68.9度・対角画角129.3度、そしてパンやチルト、回転にも対応した「UMBOスマートドーム」というカメラに加え、人間のように世界を認知するニューラルネットワークをベースとした人工知能を組み合わせた「AIoT(AI+IoT)」とも呼べる仕組みで実現しているとのこと。“ぱっ”と見では、この「UMBOスマートドーム」自体、ちょっとおしゃれな防犯カメラにしか思えないのだが、AIを組み合わせることによって、例えば侵入者の検知や異常行動の検知、人数や車両の数をカウントすることができる。その一端を垣間見せてくれたのが、ブースで展示されていた人の検知というわけだ。
こちらが「UMBOスマートドーム」。基本クラウド上にも映像データを録画できるのだが、データ保護の観点からカメラ本体にSDカードを挿入して双方に録画することができる。また、防水・防塵性能も高く台風といった過酷な環境下でも安心のIP66。動作条件もマイナス40度から50度までとなっている |
ユーザーはクラウド上に用意された管理画面にて各種設定、どのようなイベントが発生したかの確認、録画した映像のチェックなどが行える。例えば、「○時×分、エリア△に侵入者アリ!」といった時系列ごとのイベントのレコードを、ダッシュボードで視認性よく確認できるほか、対象物が現れた際にリアルタイムで通知するよう設定しておく、などということも可能となる。
このサンプル画像に表示されているように、特定の空間をユーザーが指定することによって人がそのエリアに立ち入ったかどうかをカウントすることも可能。もちろん、単なる平面ではなく奥行きのある空間としてきちんとAIは認識し、高い精度で検知する |
ニューラルネットワークベースの人工知能を活用することにより、高い精度での検出が可能なUMBO CVのソリューション。誰もが思い描く監視カメラとしての活用方法以外にも、店舗出店計画を担う部門が「いつどのくらいの人がどんな行動をとるのか」といった動態調査に利用する、あるいは、顔認証技術との組み合わせにより特定の人物(例えばブラックリスト)に絞った行動監視(万引き防止等)といった分野でも存分に力を発揮してくれそうだ。今後、どのような活用方法を提案してくれるか期待したい。