シチズンマシナリーは3日、低周波振動切削(以下、LFV)技術を搭載した自動旋盤の機種を拡大すると発表した。現在、計4機種に展開しているLFV搭載機の好評を受けてのもので、今年度中に7機種にする予定だという。

同重量の切りくずにおける形状の違い(SUS304)。左:従来の切削による切りくず、右:LFVによる切りくず(出所:シチズンマシナリーWebサイト)

LFV技術とは、シチズン独自の制御技術でサーボ軸を切削方向に挙動振動させ、切削中に刃物があたらない「空振り」する時間を設けることで、切りくずを分断させる加工技術のこと。

これにより、小径深穴加工の効率向上や難削材旋削加工においても切りくずが細かく切断できるなど、切りくずに関するさまざまな課題を解決するほか、切りくず容量の大幅縮小やワーク表面への傷防止などにより、長時間高精度加工を実現する。

同社は、この技術を2013年に開発し、チャッカー機である「VC03」に搭載して同年に発売した。その後、2016年に主軸台移動形自動旋盤「Cincom L20」に搭載し、2017年には「Cincom L12」および、マルチステーションマシニングセル「MC20」にも搭載され、LFV技術の搭載可能機種を4機種で展開してきた。そして今回、新たにMiyanoブランドにも拡大させ、今年度中に7機種に拡大する予定だとしている。

なお、現在では主力機種である「Cincom L20」の売上げの半分以上がLFV搭載機種で、ユーザーから高い評価を得ているということだ。同社では、LFVマイスター、LFVエンジニアの社内認証制度を開始し、ユーザーからの問い合わせなどに的確に対応できることはもちろん、効果的な提案ができる技術者の養成を実施しているということだ。