NECは7月3日、小田急シティバスと連携し、乗合バスの安全運行支援に向けて、ウェアラブル端末による生体情報の収集・活用の実証実験を実施したと発表した。今後、交通事業者の働き方改革に貢献していくという。

昨今、バスの乗務員の健康状態に起因する事故が増加しているため、バスのみならず、鉄道を含む公共交通機関の「運輸安全マネジメント」の強化、乗務員の健康管理が急務となっており、特に事業所から離れた乗務員の健康と安全の確保、働き方の改善や職場環境の整備が進められている。

実証実験では、運行業務に支障を与えないリストバンド型の生体情報ウェアラブル端末を活用して、勤務中の乗務員の生体情報(脈拍、表面温度、湿度、体の揺れなど)を測定。測定したデータはスマートフォンを介してNECのIoT基盤「NEC the WISE IoT Platform」上へ収集・蓄積し、データを基に乗務員ごとの疲労度を判定することで、健康状態をリアルタイムに見える化している。

ウェアラブル端末装着イメージ

健康状態を見える化したイメージ

これにより、事業所から離れて業務を遂行するバス・鉄道乗務員の体調変化を見守り、働き方の改善や職場環境の整備に貢献することを目指す。今後、判定の精度を高めるとともに、勤務予定・実績、そのほかの業務システムとの連携により、乗合バスや鉄道乗務員が運行中に高いパフォーマンスを発揮して運行品質や安全を高め、交通事業者の働き方改革に貢献すべく検討を進めていく方針だ。