竹中工務店と博報堂は6月29日、オフィスワーカーの生活習慣病予防に向けた運動不足解消の取組みとして、オフィス内の階段利用を促進させる技術の開発に着手したことを発表した。

両社が協働で開発に着手したのは、IoTを活用して階段を利用しているオフィスワーカーに「階段を昇ることがつい楽しくなる映像」を投影する技術「ta-tta-tta」。

この技術は、階段に設置されたIoTセンサーと個人が持っているタグが連動して、個人の利用履歴に応じて毎回変化する映像を階段を昇っているタイミングに合わせて投影することで、日常的に繰り返される階段を昇る行動のモチベーションを高めることを狙いとしている。

「ta-tta-tta」の構成

同技術の効果を検証するため。竹中工務店の東京本店オフィスにおいて、一部の社員を参加者とする実証が行われた。5週間にわたる実証の結果、映像投影前の1週間に比較して映像投影期間(3週間)では階段利用量が平均26.1%増加したことを確認したという。

また、この効果が実験終了後の週にわたっても持続していることがわかったほか、参加者アンケートにおいても、映像があること自体の楽しさや、階段を利用することで会話の機会が増加したなどの評価も得られたとしている。

実証で投影した画像

両社は実証を踏まえ、「健康オフィス」の具体的ソリューションとして、階段に映像投影等を行う技術の実用化に向けた開発を2018年には完了する予定。開発にあたっては、映像投影や運用システムに関する異業種企業との連携を積極的に進め、2019年には新築オフィスや既存オフィスに向けて提案できる商品化を目指すとしている。