IDC Japanは6月29日、国内デジタルマーケティング関連サービスについて、4月に実施したユーザー企業の調査結果と2017~2021年の市場予測を発表した。

同調査によると、2016年の国内デジタルマーケティング関連サービスの市場規模は前年比成長率6.1%の3288億円。2016~2021年の年間平均成長率(CAGR)は7.0%となり、2021年の同市場規模は4605億円になる見込みだ。

国内デジタルマーケティング関連サービス市場をITサービスとビジネスサービスに分類した場合、ITサービス市場はITコンサルティング案件を起点とした需要の拡大により、2016~2021年にCAGR7.0%で成長し、2021年には2197億円になると予測。ビジネスサービス市場は企業の人材不足を背景としたBPOサービスの拡大により、2016~2021年にCAGR7.0%で成長し、2021年には2408億円になると予測している。

2017~2021年の国内デジタルマーケティング関連サービス市場の支出額予測

産業分野別に見ると、ITサービス、ビジネスサービスへの支出額がいずれも300億円を超える産業分野は、製造、流通、金融、その他(不動産や旅行、運輸サービスなど)。製造ではブランドを持つ企業を中心として、モバイルデバイス対応やコンテンツのパーソナライゼーションに関わる案件が支出を牽引し、流通ではメディア選定や広告配信の最適化、オムニチャネル施策などの需要が伸びている。その他では、顧客体験の強化やデジタルチャネルの刷新に向けた取り組みが活発となっているという。

また、デジタルマーケティング市場には、広告代理店やコンサルティング会社、システムインテグレーターなどの様々な事業者が参入してきている。広告代理店はデジタル事業を強化し、ITサービスの領域にも範囲を拡大。ユーザー企業のサービス事業者に対する認知度や利用動向からも、広告代理店のプレゼンスが高まっていることがわかるという。

IDC Japan ITサービスグループのリサーチマネージャーである木村聡宏氏は「サービス事業者は変化するデジタルマーケティングに追随するとともに、テクノロジーの担い手としてデジタルマーケティングにイノベーションを起こすことで、新たな成長機会を創り出すことができる」と分析している。