みらい翻訳社は28日、国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)との共同研究のもと、ディープラーニングを用いたニューラル機械翻訳エンジンを開発したことを発表した。日・英、双方向のビジネスシーンを想定した翻訳エンジン開発を行い、従来の統計的機械翻訳と比べ、大幅な精度の向上に成功したという。同日より、みらい翻訳のホームページにてデモ体験が可能となっている。
本製品は、特にビジネスコミュニケーションや経済系ニュースなどに注力した精度向上を目指して開発された。ニューラル翻訳エンジンは、従来型の翻訳エンジンと比較し、翻訳結果文の情報伝達と共に流暢さが向上し、和文英訳においては、TOEIC900点程度のスコアを持つビジネスマンと同等程度の作文能力があるという。
上図は、比較的短いビジネス英会話の文章を、TOEICスコアをもつ被験者25名と機械翻訳エンジンとでそれぞれ和文英訳をし、その結果を比較、分析したもの。各レベルのTOEICスコア保有者の訳文と機械訳文の優劣が同等となるポイントを調査すると、機械翻訳の結果は900点程度のスコアを持つビジネスマンと同等程度の作文能力があることを確認した。
今回開発した翻訳エンジンは、企業向け機械翻訳アプリケーションサービスに組み込まれ、実用性の高い機械翻訳ソリューションとして提供していく予定だ。同社は、ビジネスコミュニケーションだけでなく、企業における翻訳ニーズの高い分野にて翻訳モデルを開発し、高精度かつセキュアな翻訳ソリューションを提供することを目指す。
同社のホームページでは、今回のデモ体験と同時に企業向け機械翻訳アプリケーションサービスの申込み受付を開始する。9月にトライアルでの提供、11月より本提供を開始予定だ。