ダッソー・システムズは27日、エンタープライズ・クラスのクラウドサービス分野におけるリーダー企業・Outscaleの株式の過半数を取得したことを発表した。

この株式取得により、同社はクラウド企業の一員としての地位を強化し、産業界のイノベーターがデジタルの力でビジネスを変革できるよう支援していくとのこと。取引条件の詳細は非公開。

Outscale社 (フランス)は、2010年創業、ISO/IEC 27001 (2013年版) のセキュリティ認証を取得しているクラウドサービス提供事業者。欧米、アジアなど計10拠点のデータセンターを通じて、エンタープライズ・クラスのクラウド・コンピューティング・インフラストラクチャ・サービス(IaaS) を提供している。

同社のクラウド・ソリューションは、Cisco CMSP Advanced、Intel Cloud Technology、NetApp AltaVaultなどの高い業界標準に認定されている。同社の独自開発によるセキュアなクラウドOS(TINA OS)は、演算、ストレージ、ネットワークといったクラウド・リソースの調整と自動化を行うため、極めて複雑な環境下でも、クラウド・プラットフォームの展開・管理、ならびに可用性の向上を簡単に行えるという。

ダッソー・システムズはOutscale社の最初期に投資しており、3D設計、シミュレーション、デジタル製造に関するクラウド製品群であるクラウド版の3DEXPERIENCEプラットフォーム、ならびにインダストリー・ソリューション・ポートフォリオの管理には、Outscale社のサービスを採用している。

今回の投資により、ダッソー・システムズはクラウド・リソースやサービスの調節ならびにコントロールを自社で行えるようになり、アクティビティのピーク管理や業界セグメントごとの多様化、新しい機能の展開などを通じて、オンプレミス、プライベート、ハイブリッドの先進的なクラウド・ソリューションを顧客に提供できる。

なお、ダッソー・システムズのブランド・アンド・コーポレート・ディベロップメント担当エグゼクティブ・バイス・プレジデントであるパスカル・ダロズは、「Outscaleは、エンタープライズ・クラスのクラウド・リソースを世界に展開しながら、データの主権性を踏まえたコンプライアンス・アプローチをとるユニークなクラウド・アーキテクチャで成功を収めてきました。そして、このアプローチを活用することで、より多くのユーザーが3DEXPERIENCEプラットフォームをより手頃な価格で利用しやすくなると同時に、活用法を新たに拡大できるので、お客様に大きな価値をもたらすことができます」と述べている。