NECは産業技術総合研究所(以下、産総研)から、スカラ型スーパーコンピュータ(HPCサーバ「LXシリーズ」)を基盤に用いた「産総研AIクラウド」を納入し、4月より稼働を開始した。同システムは産総研の研究者だけでなく、中小企業など多様な事業者が利用するAI・IoT技術に関する最先端の研究開発環境だ。同システムは6月19日、ドイツ・フランクフルトで開かれたスーパーコンピュータに関する国際会議ISC2017において、世界のスパコンの省エネ性能ランキング「Green500 List」で世界第3位を獲得した。また、空冷方式においては、世界第1位となる。
「LXシリーズ」は、最新のインテル Xeon E5-2600L v4製品ファミリー搭載のデュアルソケットMPIコンピュートノード68ノード、およびNVIDIAの最新GPU Tesla P100を8基搭載したGPUノード50ノードの合計118ノードで構成されている。また、総理論性能で、人工知能用スーパーコンピュータとして国内最大規模となる8.48ペタフロップスの性能を実現し、演算能力に対する需要に合わせて、システムの継続的な拡大も可能だ。さらに、100ギガバイト/秒の情報処理能力を有する4ペタバイトの大規模並列ファイルシステムも組み込まれている。
産総研が本システムを導入したのは、AI・IoT技術の活用による競争力の高い研究の維持・強化、企業との研究立ち上げの迅速化による産業界との連携強化、AIセンターを中心に収集・開発されるデータやソフトウェアの利用促進を図るためだという。