Google MapsをはじめWeb APIの普及に尽力してきたGoogleだが、同社の公式ブログ「How The New York Times used the Google Sheets API to report congressional votes in real time」では、Google DocsやGoogle Sheetsといった生産性向上に寄与するG SuiteのAPI活用方法をThe NewYorkTimes(ニューヨーク・タイムズ)の導入事例を通して伝えている。

2017年の5月、米国議会では数百万人に影響がある新たなヘルスケア法に関する投票の行方が注目されていた。撮影制限など議会規則のため、リアルタイムでの反映が困難で議会公式サイトでさえも1時間のタイムラグがあったという。このタイムラグを埋めるため、同紙Web版であるNYTimes.comではレポーターを現地に派遣し、その場でボードに現れた投票結果を逐一、Google Sheetに結果を記すが、これがAPIを通じて自動的にWeb上に反映する。

編集チームのTom Giratikanon氏は、議員の名前とy/nの投票欄をシートに作成、権限関係も事前に構築している。レポーターやチームメンバーは、氏名のタイプミスすることもなく、議会公式Webサイトよりも速く読者に伝えることに成功した。また、事前予測のシートを作成していたチームは、予測との違いを"サプライズ"として自動で強調するなど投票最中に新たなルールを反映させて、読者に付加価値のある情報を伝えられたという。Web上には用途から種類も大きく異なる様々なAPIが存在するが、APIを活用した情報の共有や伝達を迅速に進められた活用事例となる。

議会のボードとGoogle Sheet(公式ブログより抜粋)

APIを通じてWebサイトに迅速に反映される(公式ブログより抜粋)