京セラは、OA機器、家電、車載機器、ストレージ、産業・工業用機器などの用途向けに、FPC/FFCを挿入し完全嵌合状態になると自動でロックがかかる、ワンアクションタイプの0.5mmピッチFPC/FFCコネクタ「6810シリーズ」を製品化したことを発表した。45極品、通常タイプのサンプル価格は100円で、販売開始は7月を予定している。

FPC/FFCコネクタ「6810シリーズ」(出所:京セラWebサイト)

昨今、製造現場では産業用ロボットによる工程の自動化が進んでいるが、従来のロック付きFPC/FFCコネクタは、FPC/FFC挿入後にロック操作を行う必要があり、一般的に作業員が組立作業を行っていた。

「6810シリーズ」は、FPC/FFCを挿入するだけでコネクタ両端のバネがアクチュエータの回転を補助し、完全嵌合状態になると自動でロックがかかる設計となっている。抜去時は、アクチュエータのタブを押さえながら引き抜く操作が必要なため、ロックが解除された状態のままになってしまうことがなく、操作ミスや意図しない接触によるFPC/FFCの抜けを防ぐ設計となっており、良好な作業性を実現している。

また、半嵌合状態などの嵌合不具合時にはアクチュエータが閉じないため、自動光学検査装置(AOI)で嵌合不具合品の判別が可能。こうした構造により、良好な作業性と確実な接続を両立している。

独自ロック構造のワンアクションタイプ(出所:京セラWebサイト)

なお、製品ラインナップとして、基板とFPC/FFCが垂直に嵌合するストレートタイプと、平行に嵌合するライトアングルタイプの2タイプを展開し、それぞれに一般電子機器向けの「通常タイプ」と、使用温度範囲を+125℃まで拡大して車載機器にも適した「高耐熱タイプ」が用意される。

自動光学検査装置(AOI)での判定例(出所:京セラWebサイト)