理化学研究所(理研)と富士通は20日、スーパーコンピュータ「京」による測定結果が「HPCG(High Performance Conjugate Gradient)」において、2期連続で世界第1位を獲得したことを発表した。「HPCG」は、産業利用など実際のアプリケーションで用いられる共役勾配法の処理速度の国際的なランキング。結果はHPC(High Performance Computing)に関する世界最高峰の国際会議である、ISC17で発表された。
「HPCG」は、連立一次方程式の処理速度を競うLINPACKや、グラフ解析の性能を競うGraph500とは異なる視点で性能を評価する指標で、スーパーコンピュータの性能をより多くの視点から評価するための新しいベンチマークとして2014年からランキングが発表されている。前回、2016年11月のランキングでも、「京」は第一位を獲得していた。
測定には、「京」が持つ全計算ノード82,944台を用い、602.7TFLOPSという高いベンチマークのスコアを達成した。今回のHPCGでの第1位の獲得と、同じくISC17において発表されたTOP500第8位という結果と合わせて、幅広い分野のアプリケーションで成果を創出する「京」の総合性能の高さが改めて実証された。