NXP Semiconductorsは、ADS-B、無人航空機(UAV)用のトランスポンダ市場向けにコンパクトなRF LDMOS(Laterally Diffused Metal Oxide Semiconductor:横方向拡散金属酸化膜半導体)ソリューションとして、新製品「AFV10700H」トランジスタを発表した。
AFV10700Hは、クレジットカードの半分のサイズの50Ωパワーアンプで700W超のパルス・パワーを提供し、航空産業におけるサイズや重量、電力、コスト(SWaP-C)要件を満たした製品。同社のAirfast技術をベースに、標準的なNI-1230パッケージに比べて40%の省スペース化を実現した小型NI-780エアキャビティ・パッケージに収納されている。
オンチップ事前マッチングにより、マッチング回路のサイズ低減を可能にする高出力インピーダンスを提供し、1.3"×2.6"(3.3×6.6cm)のサイズのパワーアンプを実現するとともに、熱抵抗によりヒートシンクを小型化し、トランスポンダの重量をさらに低減している。
また、同機器は商用ADS-B、UAV、軍用敵味方識別(IFF)などのパルス・アプリケーション向けに開発されており、50V、56%の効率で1090MHz時に700W P1dB、52V動作時には52%の効率で1030MHz時に850W P1dBの出力が可能となっている。低い熱インピーダンスにより、モードS拡大長メッセージ(ELM)やリンク16などの高デューティ・ファクタ・パルス・トレインをサポートする。
同社のマルチマーケットRFパワー担当シニア・ディレクター兼ゼネラル・マネージャーPierre Piel氏は、「NXPはLバンド・パルス・アプリケーションの厳しいサイズと性能要件に対応できる高性能製品の開発に積極的に取り組んでいますが、この新ソリューションはこうした取り組みの大きな成果の1つです」と述べた。