NECソリューションイノベータは6月19日、生活の中で身近なカレンダー型のインタフェースを活用し、利用者の生活を支援する情報や興味に合わせた情報をタイムリーに配信する「NEC 電子カレンダー活用生活支援情報提供サービス」の提供を開始した。同サービスは地域活性化や子育てをICTでサポートするという。
新サービスは、オープンデータをはじめWebサイトやSNSの情報に加え、これまで紙媒体で流通していたチラシなどの情報を集約し、自治体などの情報提供者がカレンダー形式で住民などの利用者に情報を提供するものとなり、利用者は生活に役立つ地域や子育てなどの情報を効率的に入手することが可能になる。
開発にあたっては、産学連携の一環として、東北大学大学院工学研究科IIS研究センターおよび東北大学大学院情報科学研究科の青木孝文教授、乾健太郎教授の協力の下、利用者の興味情報や参照履歴などに関する統計的分析の研究、開発を行った。
主な特徴として「効率的な情報配信を支援するプラットフォーム」「情報の統計的分析」「使いやすいユーザインタフェース(UI)」の3点を備える。
効率的な情報配信を支援するプラットフォームでは、(1)さまざまな情報源からの情報を集約して配信、(2)利用者のニーズを推定して情報を配信の2点を挙げている。
さまざまな情報源からの情報を集約して配信することに関しては、情報提供者はあらかじめ情報を収集する情報源を設定することで、自治体や公共団体などが公開しているオープンデータや、Webサイト、SNS、チラシなどの紙媒体をデジタル化した情報を集約し、配信することができ、住民などのサービス利用者は情報を手軽に入手することが可能だという。
公共機関の配信情報例では、施設案内、制度情報、休日・夜間診察案内、防犯・防災情報など、地域事業者の配信情報例は特売、催し物の情報、クーポンなど、地域コミュニティの配信情報例としては自治会、小・中学校からのお知らせ、近隣イベント、子育て相談情報などがある。
また、利用者のニーズを推定して情報を配信することについては、利用者のカレンダーに入力された予定から利用者ごとに必要な情報を推定し、それに合わせた情報を配信し、利用者が必要な情報を探す手間の削減を支援するとしている。例えば、利用者が「子供の予防接種」の予定をカレンダーに入力すると、子供に必要な他の予防接種の情報などが配信される。
情報の統計的分析では、新サービスのデータベースに蓄積された利用者の興味情報、参照履歴等を統計的に分析することで、情報提供者のマーケティング活動や効果的な情報配信を支援。例えば、利用者の参照度合が高いカテゴリー情報を地域ごとに分析し、それに合わせて情報を配信することができるという。
使いやすいユーザインタフェースに関しては、人間中心設計(HCD)に基づいたUI・UX(ユーザ・エクスペリエンス)設計を行うことで、IT機器に不慣れな高齢者なども使いやすいサービスの提供を可能にしている。サービス導入費は300万円(パッケージ購入費、SI構築費を含む、保守料は別途必要)~、今後3年間で30ユーザへの導入を目指す。