米PTCは、インダストリアルIoT向けのThingWorx Studio拡張現実(AR)無償トライアルプログラムを発表した。
同無償トライアルプログラムによりユーザーは、インダストリアルIoT向けAR体験の試作や開発を短期間で実現するソリューション「ThingWorx Studio」のAR作成・パブリッシュツールを利用することが可能となる。「ARを活用してIoTデータをARダッシュボードで可視化」、「サービス手順の各ステップを強化」、「教育用チュートリアル」、「販売・マーケティング」、「デザインレビュー」という主に5つの用途を検討している企業での採用を想定しており、これらの用途は、特にIoTと組み合わせた場合、インダストリアルやエンタープライズ領域におけるARの幅広い適用範囲を示すものだという。ThingWorx Studioの最新機能を利用することで、初めてのAR体験の作成をユーザーが登録からわずか数分で実現することができるようになる。なお、同トライアルプログラムは、同社Webページより登録できる。
ThingWorx Studioは、コンピュータービジョン技術であるVuforiaを利用することで、プログラミング技術を必要とすることなくAR体験の作成やパブリッシュができ、コンテンツ作成では、CADデータなどの既存の3Dデータを利用してARモデルや体験の作成、パブリッシュが可能となる。また、ThingWorx Studioは、ThingWorxインダストリアルIoTプラットフォームの一部であるため、ThingWorxからのコネクティッドプロダクトのデータをAR体験に組み込むこともできる。AR体験を生成し、温度、燃料残量、稼働速度などの製品データを表示することで、情報を得るために必要なシンプルなデジタルインタフェースが実現可能となるということだ。
同トライアルプログラムは、2016年7月~2017年4月に実施されたThingWorx Studioのパイロットプログラムに続くもので、既にOracle、Solar Turbines、OSIsoft、Fujitsu Network Communications、EPAMを含む1,500社を超える企業が、ThingWorx StudioのAR作成・パブリッシュツールを活用し、インダストリアルIoTに適用できる新たなAR体験を作成したという。また、これらの参加企業が新たに作成したインダストリアルおよびエンタープライズ向けAR体験は、10万回以上再生された。
同社のThingWorxプラットフォーム担当エグゼクティブバイスプレジデントのマイク・キャンベルは、次のように述べている。「インダストリアルIoT分野において、拡張現実(AR)は非常に大きな可能性を秘めていますが、AR体験の作成はすばやく簡単に実施される必要があります。ThingWorx Studioは、ARの複雑さを取り除くように開発されています。ThingWorx Studioの無償トライアルプログラムにご参加いただき、極めて強力なAR開発システムを利用することで、ユーザーはわずか数分でAR体験を作成することが可能となります」