日本原子力研究開発機構(JAEA)が高速増殖原型炉もんじゅ(福井県敦賀市)を約30年かけて廃炉にすることなどを柱とした基本計画をまとめた。同機構はこの基本計画を13日に松野博一文部科学相に提出した。
基本計画の正式名は「『もんじゅ』の廃止措置に関する基本的な計画」。基本計画はまず「⽴地地域並びに国⺠の理解を得つつ安全を最優先に廃⽌措置を進める」とした。その上で「廃⽌措置作業は安全確保を最優先に概ね30年で完了することを⽬指す」と明示した。
使用済み燃料や冷却材のナトリウムのほか、さまざまな機器類の解体で生じる放射性廃棄物については、政府の方針(13日午前開かれた政府の「『もんじゅ』廃止措置チーム」で決定)に基づいて福井県外に搬出する、との方針を示した。この中で使用済み燃料を福井県外に搬出するのは「再処理を行うため」としている。
廃止措置の細かい工程表は示されなかったが、工程を「燃料体取出し期間」「解体準備期間」「廃止措置期間Ⅰ」「廃止措置期間Ⅱ」の4段階に分類。第1段階の燃料体取出し期間については「当⾯は燃料体取出しに集中し、基本的な計画の策定から約5年半での燃料体取出し作業の終了を⽬指す」とし、2022年の年末に作業を終了させる目標を明示している。
このほか基本計画は、長期間にわたる廃炉作業を着実に進めるために電力会社やメーカーなど、日本原子力研究開発機構の外部から専門的知見を持つ管理職や実務クラスの要員を投入して新たな体制(「廃炉実証のための実施部門」)を構築する、とした。
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