九州大学(九大)情報基盤研究開発センターは6月15日、2017年度10月に稼働開始を予定しているスーパーコンピュータ(スパコン)システムとして、富士通製のスパコンを導入すると発表した。
同システムは、国の第5期科学技術基本計画に示された超スマート社会の実現、ならびにAI(人工知能・機械学習)・ビッグデータ、データサイエンスおよびこれらを活用した研究に対応する研究基盤への提供を目指し、柔軟な利用形態を提供できるスパコンシステムとして仕様策定されたもので、計算ノードは、富士通の「FUJITSU Server PRIMERGY CX400」の次期モデル2128台で構築され、そのうち128台に「NVIDIA Tesla P100」を1台あたり4基(合計512基/GPU間をNVIDIA NVLinkで接続)搭載するなどにより、その総理論演算性能は約10PFLOPSとなるシステムになる見込みだという。
また、日本国内に設置されるスパコンシステムとしては初めて、システム間連携協調を支援する大規模プライベートクラウド環境と、大規模シミュレーションや機械学習のための高性能バックエンド計算ノード群を、高速ファイルシステムを介して連携運用する構成を採用したほか、本格的なパブリッククラウドとの連携インタフェースの導入によるオープンデータと連携したスーパーコンピューティングの方向性や利用者層・課題の拡大に向けたインフラの提供が予定されているという。
さらに、新たに詳細な電力モニタリング機構と、制限電力内のジョブスケジューリング機能を導入しており、インテリジェントな省電力運用の確立を目指すとしている。
なお、同センターでは、同システムについて、学際大規模情報基盤共同利用・共同研究拠点(JHPCN)や革新的ハイパフォーマンス・コンピューティング・インフラ(HPCI)および同センターが実施する各種利用プログラムの計算資源として、広く学内外の研究者に提供していくことを予定しているとしている。