ゲーム機に代表される高品質なデバイスでの体験やスマートフォンを使った簡易なキットで360度見渡せるVR動画など、その場に居るような"没入感"の凄さは、他の体験にはなかなか置き換えられない。NTTドコモは、静岡県浜松市の制作会社クロスデバイスと共同開発した「みんなのVR」アプリとクラウド管理サーバーをパッケージ化し、企業や自治体向けに6月30日より提供開始する。

クロスデバイスは、360VRパノラマ動画によるVRコンテンツ制作を手がける企業で、企画、撮影、制作、配信、広告など360VRを活用したソリューション「idoga」を展開しており、制御PCから数百台のVR機器への一斉映像配信、360度全方向パノラマカメラからのリアルタイムライブ配信も可能になる。数多くのジャンルの360VR制作実績を誇る技術や事例はidoga公式サイトでアーカイブとして公開している。

360°Movie idoga公式サイト

ミュージシャンの幻想的なライブやダイワハウスの一戸建てバーチャル展示、日清食品ドリームテニスARIAKE全国VRライブ配信やパノラマ動画を使ったゲームと幅広い。観光スポットも数多く手がけており、秋田県のなまはげイベントの様子や日本一参拝が難しいとも言われる鳥取県三徳山三佛寺、山梨県からの八ヶ岳や富士山の眺望パノラマ写真、熊本城マラソン当日の様子など、こちらも多数。たしかに、日本全国津々浦々を360VR化すると、実際に行ってみたい場所も増えそうだ。

30日からNTTドコモより企業や自治体向けに提供されるサービスは、VR施策の企画運営を身近に提供するためのもので、サーバー上にアップロードされたVRコンテンツを、会場の複数のユーザーに配信するためのもの。タブレット上から「みんなのVR」アプリでコンテンツを操作することで対多数端末でのVR映像配信を可能とし、説明員を含む会場での負担を軽減できる。遠隔地でも編集・更新が可能なクラウド上のサーバでコンテンツを管理、再生数の集計や閲覧も可能なパッケージとなる。

サービス概要図(同社資料より)

サービス第1弾として、青森県大鰐町(おおわにまち)、青森公立大学木暮祐一研究室と連携した「みんなのVR」イベントを6月30日から12月末まで大鰐町地域交流センター「鰐come(わにかむ)」や東京の飯田橋にある青森県東京観光案内所(青森県会館1F「あおもり北彩館」東京店内)で実施。スキー場や食べ応えのありそうな長さ30センチにもなる"大鰐温泉もやし"を350年以上も前から引き継ぐ温泉など、360度カメラやドローンで撮影したVRコンテンツを体験できる。

同社は、本サービスを通じて、地域の魅力的な観光資源等を伝えるVRプロモーションがあらゆる場所で展開されることで、地域活性化に貢献できるよう努めたいとしている。