ネットギアジャパンは6月14日、10Gイーサネット・ポート2基、インテル製サーバ向け最新CPUおよび大容量メモリーを搭載し、膨大なビデオデータや高解像度・非圧縮データのアーカイブやバックアップ、ディザスターリカバリー(DR)に適した4Uサイズラックマウント型ネットワーク・ストレージ(NAS)「ReadyNAS 4360X」「ReadyNAS 4360S」の2機種を販売開始した。価格はいずれも180万円(税別)。
新製品は従来のReadyNASと同様、これまでは大企業向けの高額製品にのみ搭載していたデータを保護するための諸機能(5レベル・データプロテクション)を、中小・中堅企業向けに標準装備。
具体的には、RAIDによるHDD単体故障からのデータ保護、回数無制限に実施可能なスナップショット取得による上書き・破損からのデータ保護、無償のアンチウイルスソフトウェア搭載によるウイルス感染からのデータ保護、ビットロット・プロテクションによるアクセス頻度の低いバックアップデータの破損の検知・復旧、リモート・リプリケート機能での遠隔地バックアップによる災害・盗難におけるデータ紛失の回避の5機能を搭載する。
いずれもディスクレスモデルであり、ユーザーが必要なスペックのHDDを必要な台数用意することで、最小コストで運用を始められる柔軟性と拡張性を備えるとしている。
また、両モデルともmini-SASポートを3つ搭載しており、同社が提供するラックマウント型ReadyNAS用拡張ユニット(24ベイ)である「EDA4000」を最大3台接続可能。各モデル本体の60ベイと合わせて132ベイとなり、10TBのSATA HDDを搭載すると、1320TB(1.32PB(ペタバイト))の大容量バックアップ・ストレージを構築できるという。
LANポートについては、ReadyNAS 4360Xは10GBASE-Tポートを2基、ReadyNAS 4360Sは10G SFP+スロットを2基搭載する。いずれも2つの10Gポートを束ねるリンクアグリゲーション機能により、最大20Gbpsの高速通信と、片側のポートが故障しても通信を継続できる冗長化を実現した。
両モデルともインテル製Xeonクアッドコアプロセッサと16GB DDR4 ECCメモリーを搭載。最新のプロセッサと大容量メモリー、10Gイーサーネットのアグリゲーションにより、同時接続数160を実現したという。いずれも、メモリーは64GBまで拡張可能とのこと。
さらに、CIFS/SMB3対応によるWindowsネットワーク・サポートを始め、FTP over SSL/TLSやHTTPS、WebDAVなどを含む多くのプロトコルに対応する。スナップショット機能に関しては、ファイルシステムとしてBtrfs(バターFS)を採用し、従来は大企業やキャリア向けのストレージ機器でのみサポートしていた、実施回数無制限のスナップショット機能を実装したという。
最短1時間間隔でファイルの変更を記録し続け、誤って上書きしたファイルや失ったファイルを、任意の時点の状態に復元でき、共有フォルダー単位での一括復元のほか、ファイル単位での復元も可能であり、ユーザーが自身のコンピューターから復元できるよう許可することも可能としている。
ビットロットはビットの腐敗を意味し、長期間アクセスが無いデータは破損し復旧不可能になることがあるという。両製品はビットロットプロテクション機能によりデータの腐敗を検知し、復旧可能なうちに破損したデータを修復するとのこと。
また、無償で使用可能なクラウドベースのレプリケーション機能である「ReadyNAS Replicate」が利用可能であり、これにより他拠点のReadyNASへのバックアップが可能。バックアップはReadyNAS間に自動設定するVPNで行うため、ファイアウォールの設定変更は必要なく、災害や盗難によってReadyNASが使用不可能になっても、データを守るとしている。
さらに、無償のアンチウィルスソフトウェアを標準搭載するほか、暗号技術(AES 256bit)によりボリュームを暗号化する機能を備える。暗号化したボリュームにアクセスするには、暗号を解除するためのキーを格納したUSBメモリーが必要なため、ReadyNASが万一盗難に遭ってもデータの漏洩を防止できるという。
加えて、無償で利用可能なリモートアクセス機能である「ReadyCLOUD」により、外出先からもReadyNASのデータへ安全にアクセスできる。同機能は、Windows/Mac OS X/Android,/iOSに対応しているとのこと。両製品の保証期間は最長3年だが、購入後1カ月以内のユーザー登録が必要だという。