NECとNECドイツは、チェコ気象庁からスカラ型スーパーコンピュータ(HPCサーバ「LXシリーズ」)を受注した。本スーパーコンピュータは2018年1月に稼働を開始し、チェコ気象庁の気温・降雨予測をはじめとした、より正確な気象予報を可能にするという。
チェコ気象庁 |
チェコ気象庁は、1919年に設立されて以来、日々の気象予報の提供に加え、河川など陸面と大気との水循環解析、大気・河川中の汚染物質評価などのサービスを提供している。また、地域的な気象予報モデルの研究開発では、欧州において中心的役割を果たしてきた。その成果は、農業、水産業、陸上、海上、航空輸送業をはじめさまざまな分野の社会的要請に対応している。
今回、NECが納入した「LXシリーズ」は、インテルXeon E5-2600 v4製品ファミリーを搭載したデュアルソケットコンピュートノード300ノード以上で構成され、トータル3,500超のコアを有している。また、本システムには、30ギガバイト/秒の情報処理能力がある1ペタバイト大規模並列ファイルシステムも組み込まれている。これらにより、HPCクラスタのコンピュータ処理ピーク性能は既存のシステムに比べ80倍以上速くなることが期待される。
NECのLX技術を選んだ理由として、CHMIの数値予報部門の責任者であるラドミラ・ブラツコヴァ博士は以下のように述べている。「NECが有する信頼性の高いHPC技術は、予報作成と技術革新の双方において重要だ。現在、26カ国が参画する数値気象予報システムALADINの開発で、CHMIはフランス気象庁について2番目に顕著な貢献をしている。私たちは、中でも大気環境変化の予測精度向上、スモッグ発生に関する警報/規制の仕組みの改善を目指している。」