日本ナショナルインスツルメンツは13日、ワイヤレス通信デバイスのマルチサイト(同時測定)自動テストに向けたソリューション「ワイヤレステストシステム(以下、WTS)」の最新版をリリースした。

WTS 1.3 製品画像

WTSは、802.11axやBluetooth LE、低消費電力のIoTデバイスのマルチサイトテストを効率的に行えるプラットフォーム。最新リリースの「WTS 1.3」では、8×8のマルチチャンネル構成に対応しているほか、WTSからテスト対象デバイス(DUT)を制御してIEEE 802.11axドラフト規格(ドラフト1.1)に準拠したデバイスの効率的な並列テストを行える。さらに、Bluetooth 5に加え、ZigBeeやZ-WaveといったIoT向けの低消費電力ワイヤレス通信規格の並列テストにも対応している。

802.11axのテストにWTSを採用することで、内蔵されているNIのベクトル信号トランシーバ(VST)とWTS向けに設計されたテストソフトウェアによって、最大8x8のMIMO(multi input, multi output)テストシナリオ、デュアルバンドの同時テスト、高確度のエラーベクトル振幅(EVM)計測が実現するという。

また、最新版のソフトウェアでは、802.11axのテストでは避けられない複雑なマルチユーザシナリオに対応するほか、テストシステム立ち上げまでの期間短縮に役立つ機能として、大手チップセットベンダが提供するDUT制御ツールのサポート機能も備えている。

さらに、WTS 1.3では、NI TestStandテスト管理ソフトウェアの拡張パッケージである「TestStand Wireless Test Module(WTM)」をアップデートし、ワイヤレステストのシーケンス作成を簡素化している。加えて、同ソフトウェアが持つマルチサイトテストの自動スケジューリング機能によって、効率的な並列テストを実装でき、テスト時間の短縮、スループットの改善を達成できるということだ。