電通は、同社が運用するコーポレート・ベンチャーキャピタル・ファンド「電通ベンチャーズ1号グローバルファンド」(以下、電通ベンチャーズ)が、がんの早期発見に向けた血液検査手法を開発する米国のGrail, Inc.(以下、グレイル社)に出資したと発表した。

グレイル社は、米国カリフォルニア州の、がんの早期発見をミッションとするライフサイエンス会社で、独自のシークエンシング(DNA配列情報の読み取り)技術、大規模な臨床実験および最先端のコンピューターサイエンスとデータサイエンスを活用し、がんを治療が可能な早期に発見する血液検査の手法の開発と検証に取り組んでいる。同社は、そのために必要な資金900百万ドル超をシリーズB資金調達ラウンドで調達した。

電通ベンチャーズは、スタートアップ企業への投資と協業を通じて同社グループのオープンイノベーションを実現するために、2015年4月に設立したファンド。今回、活動の強化を目的にファンド総額を従来の50億円から100億円に増額し、今後は日本も含むアジア太平洋や欧州地域への投資も強化していく予定となっている。また、人員も強化し、投資先の支援や投資先との共同ビジネス開発体制もより強化されるという。

今回の出資により、電通ベンチャーズは、シリーズB資金調達ラウンドに参加し、グレイル社の日本におけるパートナーシップ戦略をサポートしていく予定となっている。グレイル社グループのクライアントやパートナー企業とのアライアンスを実現することで、同社技術の日本国内における実用化を後押ししていくという。また将来的には、がんの早期発見を目的とした検査の普及、受診率の向上にも貢献していきたいと考えているということだ。