NECは6月13日、手書きや印刷による文字やマークを認識してデータ化するOCRスキャナの新製品として、「N6370E」3モデルを発売した。価格は160万円(税別)~、出荷開始予定は8月。販売目標は5年間で7000台を計画している。
新製品は、毎分210枚(「高速片面モデル」または「高速両面モデル」で、A4横置き片面帳票の手書き英数字文字300字をOCR読み取りする場合)の読み取り性能に加え、帳票の切り取りや印刷誤差による読み取り位置のずれ、記入枠内に多様な大きさや間隔で書かれた手書き文字などに対して、専用LSIで入力画像を認識に最適な補正を行い、読み取り精度の向上を実現したという。
また、同製品の制御用PCに接続した別サーバや複数台の処理端末と連携し、大量帳票の読み取りを効率的に並行処理するなど、従来製品である「N6370A」と比べて機能を向上させている。
ラインアップは、新規にOCRスキャナを導入するエントリー用途に適した「基本モデル」、大量の帳票や従来装置の置き替えなどで運用効率を高めるため高速処理の用途に適する「高速片面モデル」、データ化する項目が帳票両面に多数あり1回の用紙送りで両面を読み取り処理したい用途に適した「高速両面モデル」の3モデル。
同製品は、連携するアプリケーションで利用するデータの入力時間を短縮でき、バックオフィスの人的負荷の軽減や作業の自動化による業務改善など、働き方改革の実現に貢献するとしている。
また、電子データ化する処理速度を従来製品の毎分180枚から同210枚に向上させ、あらかじめ設定したOCR認識用のフォーマットパラメータ定義に従い、A3からA8サイズまでの帳票に記載した手書き・印刷の文字/マーク/バーコードの情報を読み取り、電子データ化できるという。
さらに、帳票の切り取りや印刷誤差による読み取り位置のずれをはじめ、記入枠内に多様な大きさ、間隔で書かれた手書き文字など、専用LSIによる適切な補正により、読み取り精度を向上させている。
並行認識処理機能では、大量の帳票を読み取る場合など認識処理に時間を要すると判断した帳票の読み取り項目に応じ、同製品とLAN接続したサーバと並行で認識処理することにより、処理効率の向上を実現している。読み取りできなかった文字などの修正作業も、サーバにLAN接続したPCで処理が可能だという。なお、同機能で使用するサーバには、オプションの「サーバ認識ソフトウェア」のインストールが必要となる。
また、帳票内にある手書きや印刷の文字、マーク、バーコードおよび任意に指定した部分的な画像を、1回の読み取りで同時に電子データ化できる。この場合、文字認識データ(テキストやCSV形式など)と画像データ(BMP/TIFF/JPEG/PNG/PDF形式など)は別データとして出力するという。
さらに、文字認識と同時に読み取った画像を電子データ化する際、特定部分のマスキングや、白紙帳票の読み飛ばしを可能にした。読み取り結果に応じて帳票排出先を2か所のスタッカへの振り分けや、読み取り後の帳票裏側に最大50桁までの管理番号の印字が可能であり(オプションの「裏面ナンバリング機構」が別途必要)、仕分けや帳票の管理が容易としている。
同製品は電源をオフにすると、同製品内には文字認識データや画像データといった電子データを残さないため、機密データの取り扱いにも適しているという。価格は、基本モデル(型番: N6376-500A)が160万円(税別)、高速片面モデル(N6376-501A)が240万円(同)、高速両面モデル(N6376-501A)が280万円(同)。